「GACKT」愛犬里親騒動 動物愛護家の杉本彩さんは「犬の気持ちを考えてほしい」

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美談に仕立てられた8分間の動画

 こう前振りを終え、知人宅へと車を走らせていくGACKT。知人の妻はGACKTの来訪を一切知らされていない。まず、突然、有名芸能人が自宅に訪ねてきたことに驚いた妻だったが、彼女をもっと驚かせたのは彼が抱えていたフェンディであった。愛犬を失ったばかりとあって、犬を目にしただけで落涙してしまう妻にGACKTは、

「元気になってもらいたいと思って、サプライズで連れてきました」

 と、フェンディを手渡す。続けて、泣き崩れる妻に優しくこう諭した。

「僕も犬を今までたくさん飼ってきて、失った辛さをよくわかるんで、また新しいパートナーとともに前に進んでください。これから、この子をよろしくお願いします」

 嗚咽をあげながら、何度もうなずく妻。やがて、GACKTはフェンディに「またね、元気でね」と別れを告げた。突然、見知らぬ家に置いていかれたフェンディは動揺した様子だ。だが、GACKTは毅然と踵を返す。そして再び車中に戻り、こう語るのだった。

「さすがに、この数ヶ月一緒にいたから寂しいね。お別れの時、泣きそうになってしまった。でも、奥さんがあれだけ喜んでくれたから辛いんだよね。少しでも元気になってくれたらいいよね」

 物悲しい旋律のBGMが響き渡るなか、こうして約8分間の動画は幕を降ろすのである。

動画には2万7000件の低評価がついた

 本人は美談としてこの動画を作成したつもりなのかもしれない。だが、世間の反応は正反対だった。

〈自分の子供を他人にあげるようなもの。ペットを飼う資格なし〉
〈犬にも心があることがわかっているのか〉

 Twitter上はこのような批判で溢れ、2月15日21時現在、動画には2万7000件もの低評価がついている。

 果たして動物愛護の専門家はこの動画をどう見ただろうか。「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」理事長で、熱心な動物愛護活動家として知られる杉本さんに取材を申し込むと、「ペット問題を考えるきっかけになれば」と応じてくれた。

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