中核派アジトの「3密」対策 リモート推進も重要会議は公安対策で対面

国内 社会

  • ブックマーク

 50年以上に及ぶ潜伏生活を経て「中核派」の最高指導者・清水丈夫議長が公に姿を現したのは昨年9月のこと。その清水議長が、今年1月27日、記者会見の場でコロナ禍の対応を批判した。御歳83ともなれば感染した場合のリスクも高いわけで、怒りも分からなくはない。

 では、東京・江戸川区にある中核派のアジト「前進社」のビルは、どのような感染対策を取っているのだろうか。

「一般の皆さんと同じですよ」

 とは中核派の幹部。そう言われても過激派組織は一般の会社とは違う。ビルの入口は堅牢な構えで、外からは容易に覗き込めないような造りになっている。“3密”になりやすいのは想像に難くない。

「前進社は基本的に出版所でして、ビル内部には印刷機が置かれ、機関紙誌の記事を書くスタッフなどがいます。常に60~70人の党員(活動家)がビルの3~4階で寝起きしており、年配の者もいる。コロナに感染した党員はいますが、それは外での話。前進社のビルからは、これまで一人の感染者も出したことはありません」(同)

 この幹部によると、新型コロナウイルスの蔓延が報じられて以来、ビルの各所に消毒用アルコールのボトルを置くのはもちろん、学生・党員の出入りを厳しく制限。あちこちに鉄板こそ貼ってあるものの、換気もさほど不便なくできているという。本館2階にある食堂は、会話禁止である。

 さらには党員に対しリモートワークも勧めているというが、極秘の暗号によって、やりとりするのかといえば、

「いえ、大抵はZoomとかLINEを使ってミーティングを行っています」(同)

 なんだか普通の職場に思えてきたが、そこは中核派である。

「若い党員同士の連絡は、ZoomやSNSでも構わないのですが、私たちは常に公安警察に監視されています。ネット上でのやりとりは筒抜けだと考えているので、幹部だけで開かれる“中央〇×会議”のような重要なものは、やはり前進社ビルの会議室で行っています」(同)

週刊新潮 2021年2月11日号掲載

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。