「延暦寺」大火事から65年 原因は今なお不明、万全の出火対策とは
世界遺産の首里城跡に建つ正殿が焼け落ちたのは一昨年の秋だった。由緒ある建造物が灰燼に帰す悲劇は、もちろん過去にも繰り返されており、本誌(「週刊新潮」)が創刊された年には、やはり後々世界遺産に登録される比叡山延暦寺が大火に見舞われている。以下は、長い歴史の中でたえず「火」と向き合ってきた名刹の物語である。
(「週刊新潮」創刊65周年企画「65年目の証言者」より)
***
延暦寺では1956年10月11日の未明に出火、重要文化財に指定されている大講堂と鐘台が全焼した。...