「稀勢の里」が大麻商品の広告塔に 「大麻復活の功労者」として期待を集め
今年に入り、厚労省は大麻の「使用」を禁止すべく法改正を視野に検討している。この動きをめぐっては賛否両論が入り交じるが、意外なことに、元横綱「稀勢の里」の荒磯親方(34)が注目されていて……。
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覚醒剤などと違い、大麻は「使用」の罰則がない。現行の大麻取締法で禁じられているのは主に「所持」と「栽培」「譲渡」である。
1948年施行の大麻取締法は、大麻農家が誤って成分を吸うことを想定して使用罪が盛り込まれていないのだ。社会部記者によると、
「芸能人や東海大野球部員など、若者を中心に大麻の乱用が目立ちます。そのため、厚労省はこの1月から、大麻の『使用』にも罰則を設けるかどうか、法改正も視野に入れて検討中です」
とのこと。当然、厳罰化を望む声があれば、反対もある。他方、大麻草の茎の繊維でつくる麻糸は皇室の宮中祭祀や神社のしめ縄、大相撲の横綱の化粧回し、花火用の火薬原料などに使われている。下駄の鼻緒や漁網にも用いられており、日本の伝統文化を支えてきたという側面がある。
「それゆえ、厚労省は難しい判断をすることになります。有識者検討会で大麻規制のあり方を見直し、夏ごろをメドに結論がまとめられる予定です」(社会部記者)
そんな状況にあって、大麻解禁論者や罰則反対派から、「大麻について正しい知識をもって宣伝してくれている」と熱い視線を浴びているのが、稀勢の里なのだ。
“大麻草は日本の心”
大麻草関連商品のHPを開くと、元横綱がドーンと出てくる。「大麻」という文字にも目がいくだろう。なお、〈横綱の綱は大麻草でできている〉との文字が入ったバージョンもある。
これは、愛知県にある「メイヂ食品」という会社が扱う「大麻油」なる商品の広告。メイヂ食品は、「大麻油」や「大麻膏」、すなわち、大麻草のうち違法な葉や花を取り除いて精製した油や塗り薬を販売している。
〈使用罪とかやめなはれ!〉とSNSで主張している大麻解禁論者の元女優、高樹沙耶サンはこの広告に心奪われているご様子。ネットニュースの対談で、
「今まで『お前には説得力がない』とか言われ続けていましたが、横綱に言われたら説得力ありすぎ!!」
と大はしゃぎ。大麻草の安全性を訴えるメイヂ食品の高野泰年代表に聞けば、
「今年は大麻草のイメージを大きく挽回するため、厚労省にデマキャンペーンを中止するよう強く要望していきます」
とおっしゃる。稀勢の里が「使用」罰則反対派の“道具”に利用されている感も。大丈夫なのだろうか。高野代表がこう続ける。
「2年前の断髪式の前、ダメ元で親方に広告契約を依頼したら、意外にも引き受けていただけました。親方は“大麻草は力士に特別な力を与える植物”とされることや、“稽古場の神棚に飾られている”ことなど、いろいろと学ばれた。そのうえで出てくださっています」
その媒体はTVやラジオ、電車内広告と多岐にわたる。
「親方はCMで“大麻草は日本の心”と言ってくれています。こんなセリフ、ふつうNGですよね。親方には、日本の伝統的な産業大麻復活の功労者になってもらいたいと思っています」