原稿棒読みの菅首相がプロンプターを導入 初心者が覚えるべき「5つのポイント」

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「驚きました」

 初めて国産のプロンプターを制作し、国内シェアトップとされる「株式会社ページワン」(東京都渋谷区)に取材を申し込んだ。

 担当者に趣旨を説明すると、「菅首相がプロンプターを使われた、というのは知っています」と言う。1時間の練習を行ったというエピソードには「今、初めて知って、ちょっと驚きました」と話す。

「上手い下手は別にして、ハーフミラーに表示される原稿を読めば、話すことはできます。首相ともなれば、1時間の時間を確保するのは大変だったと思うので、しっかりと準備された印象です」

 ちなみに同社は1993年にプロンプター業務を開始した。来日した海外アーティストが歌う場面をNHKが収録しようとすると、アーティストが使用を希望したことがきっかけだったという。既に欧米でプロンプターは普及していたのだ。

「今でも弊社は音楽関連サービスがメイン事業の1つで、プロンプターは人づてに相談されたのがきっかけでした」

習うより慣れろ

 菅首相が使ったプロンプターは、ページワン社の商品ではないという。同社が販売しているのは27・8万円のPC専用プロンプターと、6万円のiPad専用プロンプター(いずれも税抜価格)。「意外に安い」と思われた方も多いだろうが、通販サイトのAmazonで検索すると1万円台のものも見つかる。

「高額なものは海外製で、数百万円のものもあります。弊社の製品のうちiPad専用プロンプターは6万円ですが、視線を落とさず聴衆に向かって話すことができる、というプロンプターの機能的価値は、数百万円の物と比べても変わりません」

 ここで注意が必要なのは、プロンプターは“魔法の道具”ではないということだ。前出の担当者が解説する。

「プロンプターを使っても、急に演説が上手になるわけではありません。プロンプターが実現できることは、『原稿を読むため視線を下にする必要がなく、聴衆に向かってスピーチすることができる』というものです」

 アメリカのバラク・オバマ元大統領(59)や安倍前首相が、プロンプターを上手に使っていたことは担当者も認めるという。

「お二人とも慣れておられました。今後、菅首相が何度も、何度もプロンプターを使うことで、どんどん上手になっていかれるのではないでしょうか」(同・担当者)

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