「役人を怒鳴りつける」「調整力不足」 河野ワクチン担当相に周囲から不安の声
2月、3月の感染者は
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、枝野代表の発言を聞いて、こう述べる。
「理想を言うのは構いませんが、現政権も現実を直視し、苦悩しながら方向性を決めている。枝野代表も本気なら、ゼロ実現に向けてのタイムテーブルや工程表を示す必要があります」
ゼロのための工程表なら、ロックダウン3カ月だろうか。だが、それでもゼロにはなるまい。また、枝野代表は感染爆発を「人災」と指摘したが、感染拡大の原因は季節にもある点が見すごされてはいないか。
「呼吸器系の感染症のピークは、インフルエンザも既存のコロナウイルスも、1月中旬から2月上旬くらい。1月に増え、いまはもうピークアウトしているのではないでしょうか。予想通りにいけば、2月には新規感染者はいままでの半分程度になり、3月にはもっと減ると思います」(森田氏)
河野大臣は「協調性が少し足りない」
また、ゼロコロナなどと気張らずとも、2月中には日本でも、医療関係者を皮切りにワクチン接種が始まる。ただ、ワクチン担当に指名された河野太郎大臣の発言に、国民の不安が増しているのも事実である。
坂井学官房副長官がワクチンについて、「6月までに確保する見込み」と述べると、「修正をさせていただく」と発言。政府内の足並みの乱れを自ら進んで浮き彫りにした。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、河野大臣を長年取材してきた立場から、こう述べる。
「昨年12月から、菅総理は西村経済再生担当相、田村厚労相にワクチンの業務を任せていましたが、まったく進んでいなかった。そこで総理は、行革を手際よく進めていた河野大臣の発信力、行動力を見込んだのです。いまの官邸は根詰まりを起こし、総理の考えを共有できていません。必要最低限の人にだけ話して流れを作る、というのが菅総理の政治手法ですが、コロナのような事態では、周囲とのコンセンサスや国民への説明が必要です。結果、周囲は総理の考えがわからないまま混乱している。そんななか、総理と唯一コミュニケーションがとれていたのが河野大臣なのです」
そんな鈴木氏も、河野大臣の欠点を指摘する。
「ぐいぐい進めるがゆえに説明が不足し、協調性が少し足りない部分もある」
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