83歳「森喜朗」元首相、なぜ要職に留まっていられるのか? 問題発言と謝罪の歴史を辿る

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 世界にとってはインパクトが強かったらしいが、日本国民の多くにとっては既視感アリアリだったのが森喜朗、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長の「問題発言」から「謝罪」への流れである。一定以上の年齢の国民ならば「またか」と思うのが普通なのだ。その歴史を振り返るとともに、それでもなお要職に留まっていられる理由を聞いた。

「神の国」から「寝ててくれれば」

 これまでの「問題発言」&「謝罪(釈明)」をおさらいしてみよう。

(1)「神の国」発言

 首相在任中の2000年5月、神道政治連盟国会議員懇談会の会合で「日本は天皇を中心とする神の国」と発言。

 これが「国民主権だろう!」という反発を一部で招き、結局謝罪に追い込まれる。

「首相として憲法に定める主権在民、信教の自由についてこれを尊重・順守するのは当然のことであり、誤解を生じたとすれば、申し訳ないことであり、おわびを申し上げたい」と国会で謝罪をした。

 ただし一方で、記者団に対して「撤回はしない」とも述べている。あくまでも誤解を招いたことについての謝罪であり、発言全体の主旨は間違っていない、というのが森氏の見解であった。

 つまりここではまだ「謝罪」「釈明」しかしていない。

(2)「寝ててくれれば」発言

 これも在任中の2000年6月のこと。総選挙終盤での「(無党派層は)寝ててくれれば」というコメントが「投票放棄を勧めるのか」等々の反発を買った。発言がきっかけで逆風は強まってしまい、落選した与党候補者からは恨み節も。

 この時の釈明は、「何も寝ていればいいと言ったわけではない。(投票態度を)決めていない方々が四割もいることに十分留意しなければいけないし、深刻に受け止めるべき」というのが真意である、という内容だった。

 要するに「誤解」だったということだろう。

 ここも「釈明」どまりである。

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