韓国『鬼滅の刃』公開で空前ブーム、“旭日旗”と指摘された「耳飾りデザイン」変更に批判殺到
“鬼滅グッズ”も大人気
韓国で、1月27日に封切られた日本のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、空前のブームとなっている。「鬼滅関連グッズ」も軒並み好評を博する中、主人公の耳飾りを模したものは不人気なのだとか。オリジナルは“旭日旗に似ている”とクレームがあり、韓国版ではデザインが変更されており、それに批判が殺到しているという。反日不買の不都合な真実がまた一つここに。
同作品は、映画のシーンに合わせて座席が動き、また、風、光、霧、香りが出る「4DX」版や大スクリーンの「IMAX」版も公開されて人気を集めている。
また、ソウル市内には「鬼滅の刃」とコラボしたカフェが出現、2017年に韓国初上陸したアニメ・コミック・ゲーム関連商品の販売チェーン店である「アニメイト」は“鬼滅グッズ”を販売し、漫画も“激売れ”だ。
韓国の書店には「鬼滅の刃」の単行本が並んでおり、“1〜20巻セット限定版”は発売直後に完売した。
書店の総合ベストセラーで17位、経済・経営分野ではない漫画本がベストセラーにランキングするのは異例という。
ネット上には「『ワンピース』以来、こんなに面白いアニメは初めて」「映画公開が待ちきれなかった」などといった声が上がっている。
「鬼滅の刃」を見る限り、“反日不買運動”などどこ吹く風の様相だ。
今回の“鬼滅旋風”以前も「ワンピース」や「スラムダンク」をはじめとする数多くの日本の漫画やアニメが韓国人の心を掴んできた。
昔から日本の漫画、アニメは人気があったが、1998年に金大中大統領(当時)が施行した「日本文化開放」政策で“日本の大衆文化の流入禁止”が緩和されて以降、日本の漫画やアニメは人気文化コンテンツとして韓国に根付いてきた。
旭日旗を嫌う傾向はいつから?
筆者のある友人は、80年代の幼少期に貸本店やレンタルビデオ店で日本語のコミック本やアニメビデオを借りて、辞書で訳しながら見たという。
日本の漫画・アニメの熱烈的なファンは韓国ではそれほど珍しくないと話している。
韓国の高校では英語に加えて第2外国語を学習するが、日本語を選択した人の多くは「日本のアニメを見たくて日本語を学んだ」と話している。
少し前に、日本のアニメ「ワンピース」をパクったアニメ「ワピース」が韓国世論を騒がせたことがあった。
制作会社の責任者は、パクリではないかという記者の問いに「オリジナルと10%でも違えば、それは別物だ」と堂々と答えている。
「日本文化開放」以前の韓国を知る者なら、誰でもそう回答するだろう。
“日本の大衆文化の流入禁止”は、著作権に対する市民の規範意識を低下させてきた。
「韓国には日本の出版物は存在しない」ことになっていたから、そもそもパクリなどあり得ない、皆がそう考えるようになったわけだ。
コミックや映画が人気を博す一方、売れ行きが芳しくないグッズがある。
「鬼滅の刃」の主人公である竈門炭治郎(かまど・たんじろう)の耳飾りを模したグッズだ。
かねて韓国では、この耳飾りのデザインが旭日旗に似ていると話題になっていた。
韓国では、2000年代から旭日旗を嫌う傾向が見られるようになった。
2002年の日韓W杯で、旭日旗による応援を見た韓国のある団体が騒ぎ出したことがきっかけだといわれている。
以後、旭日旗は反日ターゲットのアイテムの一つになった。
韓国内の「鬼滅の刃」のコミック本は、耳飾りのデザインはオリジナルのままの翻訳本が発売されているが、すでに放映されたアニメシリーズや今回の劇場版では、耳飾りのデザインが変更され、オリジナルとは全く違うものとなっている(写真参照)。
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