「アラン・ドロン」元妻が死去 脳卒中後、現在の生活は
「太陽がいっぱい」「若者のすべて」「山猫」といったタイトルを並べれば、ワイルドで、どこか陰のある二枚目の顔が思い浮かぶ。仏映画を代表する名優、アラン・ドロン(85)。その元妻である元祖「小悪魔」ナタリー・ドロンが1月21日、がんのため亡くなった。享年79。
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アランが主演した「サムライ」(1967年公開)で、恋人のコールガール役を演じたのが、当時、夫婦関係にあったナタリーだった。
映画評論家の白井佳夫氏が振り返るには、
「アラン・ドロンは『サムライ』の頃が最も魅力的だったと思います。その頃、ナタリーが犬を連れて、彼をスタジオまで迎えに来るのを見かけましたが、とても仲睦まじい様子でした」
64年に結婚したふたりは渡米し、息子のアントニーを儲けたが、5年後に離婚してしまう。女性関係の噂が尽きない夫と、慣れないハリウッド生活にナタリーが堪えかねたことが原因とされる。白井氏が続ける。
「彼には4回も取材をすっぽかされて、パリ在住の女性ライターに愚痴ると“私なんて8回よ……”。でも、1年後に彼女と会ったら“9回目に会えたの!”と目を輝かせている。なんでも、“ごめんね。一番いい状態で君のインタビューに応じたかったんだ”と言われて抱き寄せられたそう。女性の魂を掴むような魅力がありましたね」
数々の女性と浮名を流した色男は、しかし、離婚後も元妻との親交を続け、今回の訃報に際しても、こんなコメントを寄せている。
〈愛した人が世を去るのは常につらい。ナタリーは最初の妻で唯一のドロン夫人だった〉
だが、そんなアランも一昨年、脳卒中で倒れたと報じられたはず。彼はどんな生活を送っていたのか。
クリスマスに元妻と
映画ライターによれば、
「アランは2017年5月に、映画と舞台に1作ずつ出演して俳優業を引退すると宣言しました。実際、『髪結いの亭主』で知られるパトリス・ルコント監督の新作に出演予定でしたが、なぜかキャンセルに。19年5月にはカンヌ国際映画祭で名誉賞を授与されたものの、まもなく脳卒中の手術を受けたことが発覚します」
アランはパリの病院に3週間入院した後、スイスに移り、現地に住む娘に見守られながら療養生活を送った。ちなみに、この“娘”は31歳年下のオランダ人モデルとの間に生まれた婚外子だ。子どもたちのSNSにはたびたびアランの近影が掲載されていた。白髪を撫で上げ、顔には年相応の皺が刻まれるが、常にチャーミングな笑みを絶やさない。
直近の写真は昨年のクリスマスに撮影されたもの。パリの自宅と思しきリビングで寛ぐアランの脇には杖が置かれ、傍らではナタリーが微笑んでいた。
誰よりも女に愛された俳優は“唯一の妻”の死に何を想うのだろうか。