“神待ち少女”をホテルに宿泊させて逮捕 妻子持ち「43歳中学校教師」の「正体」

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 神待ち――。行き場を失った家出少女が、男性に支援を求める様を指すネットスラングである。お金を持たない少女たちは、タダで雨風をしのげる宿を提供してくれる“神”をSNS上で探し求めるという。もちろん、手を差し伸べる男は、神でもなければ親切な大人でもない。この破廉恥教員も欲望に負けて犯罪に手を染めた。

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「カカオトーク」で“神待ち少女”と知り合う

 2月2日、警視庁竹の塚署は、女子中学生をホテルに寝泊まりさせたとして、東京都中野区の区立中学校に勤務する中学教師・船山恭宏容疑者(43)を、未成年者誘拐の疑いで逮捕した。

 船山容疑者は昨年7月、掲示板機能がある無料通話アプリ「カカオトーク」に「家出したい」と投稿していた女子中学生に対し、「泊まるところのお金を出してあげる」と誘い出し、葛飾区内のホテルに連れ込んだ疑いがかけられている。

「女子中学生は、母親に『買い物に行く』と言い残して家を出たきり帰宅しなかった。翌朝、母親が竹の塚署に行方不明届を出したことから捜査が開始。防犯カメラなどを調べた結果、葛飾区内のホテルに宿泊していることが判明し、家出から2日目の夜8時頃、少女はホテル室内に一人でいるところを無事保護されました」(警視庁担当記者)

 その後の捜査で、女の子を連れ回していた男が浮上。船山容疑者だった。

「船山容疑者は偽名で少女に接触し、カカオトーク上の書き込みを削除するよう指示していました。だが、ホテル近隣の防犯カメラには少女とチェックインした船山容疑者が乗る車が映っていた。車を手掛かりに半年間の捜査を経て、逮捕となりました」(同)

︎2日間ホテルに宿泊させたが“何もしなかった”

 幸いなことに、女子中学生は性的な被害は受けていないという。

「少女も被害を訴えず、そのような形跡も残っていなかったようです。1泊目、船山容疑者は女の子と一緒に午後7時にチェックイン。3時間ほどホテルで一緒に過ごした後、少女を残し帰宅した。翌日再び合流し、別のホテルに移動。午後2時から夕方6時まで部屋で共に過ごし、また少女を残して帰った。捜査員が踏み込んだのは、船山容疑者がホテルを後にした2時間後のことです。2泊分とも船山容疑者が宿泊代を支払っています」(同)

 なぜ船山容疑者がホテルに連れ込んだ少女に手を出さなかったのかはわからない。だが、善意で少女を助けようとした“神”だったわけではないという。

「船山容疑者は容疑を認め、調べに対し、『あわよくば性的な行為をするつもりだった』と供述しています」(同)

アダ名は“フナティー”。理科の人気教師で学年主任だった

 現役教員の逮捕に、関係者は一様にショックを受けている。昨年まで船山容疑者の勤務する中学校に通っていたA子さんもその一人だ。A子さんが語る。

「報道直後から卒業生の間で、目まぐるしくニュースが駆け巡っています。みんな盛り上がっていますが、私は割と好きな先生だったんで、ちょっとショックですね」

 船山容疑者は理科担当の教員で、副担任を受け持つ学年主任だったという。

「あだ名は“フナティー”。先生の授業はいつも笑いが絶えなかった。教え方もうまく、合間に差し込む冗談も面白い。毒舌なところもあるんですが、タメ口で話しかけても大丈夫みたいな雰囲気があって、特に男子に人気がありました」

 だが、一度怒り出すと止まらないところがあったという。

「機嫌が悪い時は面倒臭い人でした。叱るというよりは感情を爆発させるんです。女子バレー部の顧問をやっていたんですが、特に部員に対しての態度は厳しかった。気に入らないようなことがあると、長時間サーブ練習を続けたりする。授業中も、部員たちに対しては自分の子分みたいなぞんざいな扱いで、一時期、総スカンを食らっていました」

 女子生徒を性的に見ているようなところはなかったのか?

「今思えば、女子には積極的に話しかけるようなところもありましたしね。一つ下の子が体育祭のソーラン節の練習の際、理科室で二人きりで指導を受けていたという話を最近になって耳にしました。考えるだけでも気持ち悪いです」

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