三食昼寝駐車場など付きで45万円、「帝国ホテル」サービスアパートメント事業への賛否両論

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日本の顔

 帝国ホテルが始めたサービスアパートメント事業について、世の中はどう受け止めたか。徳光正行がレポートする。

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 帝国ホテルがサービスアパートメント事業を始めるというのだから驚きですよね。

 サービスアパートメントなんて横文字だとわかりにくいかもしれませんが、ようは帝国ホテルに1ヶ月(30泊)36万円(スタジオタイプ(約30平方メートル)の場合/サービス料・税込み)で住めるということなのです。

 しかもただの素泊まりではなく、3日に1回の客室清掃は当然のこと、朝食のパンや駐車場利用代、ジム・プール・サウナにミーティングルームまで使えてこのお値段でして、これは実に画期的なことでございます。

 さらに有料の定額ルームサービスの食事が月6万円、ランドリーサービスが月3万円で付けられるそうなので、月額45万円ですべてが事足りてしまうわけです。

 あの帝国ホテルに住めるなんていうのは夢のようじゃありませんか?

 恐らくこの記事が出る頃には予約殺到、予約受付終了になっているかもしれません。

 帝国ホテルといえば日本の顔であり初代ラグジュアリーホテルです。

「貧乏人が帝国ホテルで結婚式を挙げたような」と獅子文六が詠んだこともありますし、忘れ物を訪ねてくる客を想定して、客室のゴミをすぐには捨てない「紙屑は一泊する」を看板に掲げておりました。

 私も帝国ホテルには思い出がありまして、幼き頃の我が家の贅沢といえば半年に1度の「バイキングレストラン」でした。

 最上階にある、ブフェスタイルのレストランのことであります。

 そこには当時、地元茅ヶ崎ではおおよそお目にかかることの出来ない様々な洋食やデザートが眩いばかりに並んでいました。

かなりの割安

「どれから手をつければいいのか?」

 迷った挙句、安定のカレーライスやスパゲッティに手を伸ばすと「ばか、それならどこでも食べられるだろ。ローストビーフにしろ!」と兄に頭を叩かれたものでした。

 なんで同じ環境で育っているのにローストビーフなんてものを知っているのか? と兄の顔を見上げ、一緒に注文(その場合でコックさんがカットしてくださる)をし、着席後、拙い所作でローストビーフを口に運ぶとこれは納得。

 初めて口にする味と食感、ここにしかない料理だと感動したあの日を未だにはっきりと覚えています。

 もちろん、「どこでも食べられる」であろうカレーライスやスパゲッティも「どこにでもある味」では決してなく、上品かつ深みのある味であります。

 大人になった今、訪れる際はローストビーフを頂いた後に(味の濃さの関係から)締めとしていただいております。

 少し思い出話が長くなりましたが、帝国ホテルといえばもう一つ。

 2011年3月11日東日本大震災の際、近隣の外資系ラグジュアリーホテルが保安の都合だかなんだかで入口を閉鎖するという姿勢を取る中、帰宅困難者に対して大宴会場やロビーを解放して、コーヒーや紅茶そしてサンドウィッチといった軽食まで無料提供したと聞いております。

 さあそれでは本題です。

 今回のサービスアパートメント事業への着手、様々な意見がなされております。

 まずは価格設定に対して、元「2ちゃんねる」の管理人で実業家兼コメンテーターとして活動をしているひろゆきさんはTwitter上で「日本の物価、安すぎない?」と反応なさいました。

 確かに近隣の地価や世界の主要都市の地価で換算しますとかなりの低額と言えます。

 さらに今回利用できるおよそ30平米のツインルームの通常の価格設定は1泊3万円(時期や曜日によって変動しますが)となっているので、それと比較してもかなりの割安であります。

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