「綾瀬はるか」の刑事と「高橋一生」の殺人鬼が入れ替わる「天国と地獄」

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今後何度か入れ替わる可能性

「仮面同窓会」(2019年、フジ系)では主演だったが、まあ、同級生たちからとことん悪意に晒されて踊らされて利用される気弱な青年を演じていたっけ。でも今回のみぞっぱた、いい感じで活躍しそうな予感。

 2話の終盤で、綾瀬と一生の入れ替わりに唯一気づいたのが溝端だ。

 綾瀬しか知りえない情報(捜査一課のデカたちのあだ名とその由来)をインターホン越しに質問する溝端。泣きながら回答する一生……じゃなくて綾瀬。

 あーややこしい! でも、思わず「みぞっぱた! でかした!」と叫んじゃったよ。

 誰も信じてくれないであろう謎の現象、身の毛もよだつサイコパス殺人鬼アドバンテージ、という倫理観と命の危機的状況で、ふんわり頼りなさそうなみぞっぱたがまさかの救世主に。いやあ、見せてくれるねぇ。もってくねぇ。

 そうそう、サブキャラクターにも注目。

 綾瀬のヒモ・渡辺陸を演じる柄本佑に癒される人が100人はいそうだし、一生の秘書・五木樹里を演じる中村ゆりに心寄せている人も100人以上いそうだ。

 私は捜査一課のセクハラ刑事こと河原三雄を演じる北村一輝が、狡猾に執拗に暗躍する姿を舌打ちしながら見守る。

 必要悪だが、立ち位置が転換するかもしれないし。意外と役に立ちそうなのが、鑑識課のノビール新田こと新田将吾。

 演じるのは、鑑識の役が多い気がする林泰文。公務員顔というか研究者顔なのかな。画面の中で細かくいい仕事をしてくれるに違いない。

「入れ替わり」という現実的にはあり得ない現象が、奄美大島の伝説に関係しているらしいこと。一生が入れ替わりの術を知っているのではないかということ。

 少しずつではあるが、綾瀬が自分の体を取り戻すためのヒントを得ていく。月と太陽、陰と陽、望月彩子と日高陽斗……綾瀬はるかと高橋一生が今後どのような神経戦を展開するのかが楽しみだ。

 今後何度か入れ替わる可能性を考えると、高橋一生のポテンシャルもこれからが本領発揮だと信じている。

吉田潮(よしだ・うしお)
テレビ評論家、ライター、イラストレーター。1972年生まれの千葉県人。編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。2010年より「週刊新潮」にて「TV ふうーん録」の連載を開始(※連載中)。主要なテレビドラマはほぼすべて視聴している。

週刊新潮WEB取材班編集

2021年1月31日掲載

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