高橋尚子が語る“運命を変えた”瞬間 「小出監督」との15分間の面会で(小林信也)
「私は弱かったので、オリンピックなんて考えたこともありませんでした」
高橋尚子が言う。
高校2年の時、初めて岐阜県代表に選ばれ、全国都道府県対抗女子駅伝に出た。結果は区間順位47人中45位。そのころ、“才能”という言葉を高橋に重ねる者はいなかった。いや、だからこそ、高橋は悲観もしなかった。
「結果は悲しく恥ずかしかったけど、県代表になれてうれしかった。目の前の目標を追い続けて少しでも伸びたらうれしい。それが長く続いた理由だと思います」
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