「講談社元編集次長・妻殺害事件」 “無罪”を信じて帰りを待つ「会社」の異例の対応
妻の父が取材に答えた
取材の最後に群馬県伊勢崎市に向かった。妻・佳菜子さんのふるさとである。朴被告が結婚の挨拶に行った時、義父が猛反対したというエピソードは法廷でも明かされた。事件後、朴被告が事情を説明したいと連絡を取っても、会おうとしなかったという義父。今どのような思いを抱えているのか。
インターフォンを押すと老いた男性が出てきた。
――朴被告についてどう思っていますか。
義父は何度も頷きながら質問に耳を傾け、意図を理解すると、一言こう返した。
「いやいや、俺は、佳菜子は病気で亡くなったと思っている」
――お孫さんとは会っているのですか。
義父は笑みを浮かべながら首を横に振り、「悪いが失礼するよ」と扉を閉ざした。
まもなく下される二審判決を関係者は祈る気持ちで待っている。真実の行方は。そして、それは誰のために明かされるのか。答えは永久に出てこないのかもしれない。
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