“都連のドン”内田茂が「小池百合子」と手を結んだ? 娘婿を都議会に送り込む算段か

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 今月10日、娘婿の運転する車で都内のホテルに現れたのは、自民党東京都連の最高顧問を務める内田茂氏(81)。小池百合子都知事をして「黒い頭のネズミ」と言わしめた都連の“ドン”である。

 この日、内田氏が仲介者を交えて会食したのは、お膝元である千代田区の石川雅己区長(79)だった。

 石川区長といえば、

「千代田区内の高級マンションを購入した際、業者から便宜を図ってもらった疑いが発覚。昨年、百条委員会に掛けられ、区議会から東京地検に告発までされた。今月8日には、月末の千代田区長選に出馬せず、20年続いた石川区政に終止符を打つことを表明したばかり。その石川氏と内田氏が密会とはねぇ」(全国紙記者)

 腑に落ちないのは当然で、

「石川氏は2017年の区長選で小池氏の支援を受け、自民推薦候補を破り5選を決めた。当時は“小池と内田の代理戦争”とまで言われ、区長選を落とした内田氏は、その後の都議選で引退。近年の二人の犬猿の仲は有名だったはずです」(同)

 ところが、都連関係者はこんな筋書きを披露する。

「内田氏の悲願は、4年前の都議選で都民ファーストの会に奪われた千代田選挙区を取り戻すことなんです。半年後の都議選に、娘婿で千代田区議の直之氏をそこから出馬させたいのですが、“小池氏の秘蔵っ子”として当選した樋口高顕(たかあき)都議が居座っている。そこで小池陣営と手を結び、石川氏に樋口氏を“後継指名”させたともっぱらの噂。樋口氏を区長にさせ、直之氏は都議に収まるという虫のいい算段をしたというわけです」

 実際、会食の3日後に樋口氏は出馬を表明。たまらないのは、すでに早尾恭一区議への推薦を決めていた自民党だ。

「内田氏の“造反”を察知していた都連の高島直樹幹事長は昨年末、内田氏に“踏み絵”を迫った。早尾氏の応援ビラにあなたの顔写真を掲載させていただきたい、と」(同)

 かつてのボスが小池氏側の候補を応援するなどあっては困るというわけだが、当の内田氏に訊くと、

「小池都知事となんて話をしたこともないし、樋口議員とも会ったことはない。石川との会食は仲立ちする人がいたからしょうがないじゃない。選挙の話もしなかったしね」

 と“密約”は否定するが、

「ただ、自民党の候補には食指が動かねぇんだよ。本当に区議をやってたのかってくらい実績がない。やっぱり千代田の区長はいろいろ経験を積んだ人じゃないと無理なんじゃないの? 例えば都議会を経験しているとかそういうことだよな」

 目下、区長選の候補者で都議会経験者は樋口氏のみ。

 決戦は今月31日である。

週刊新潮 2021年1月28日号掲載

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