指導者で巨人復帰の悲願達成、「桑田真澄」の人間力を磨いた30億円借金問題
ナベツネの大暴露
その中から“桑田借金問題”について言及した部分を引用させていただこう。ちなみにこの時期、桑田のメジャー挑戦が取り沙汰されていた。
《「渡辺社長がベンツに向かって歩き出したところで、ある記者が『桑田の残留は五分五分ということですが』と聞いた、その途端でした」》
《渡辺社長はおもむろに振り返ると、物凄い形相で怒鳴りだした》
《「桑田がメジャー入りをちらつかせているって? それなら俺が肩代わりしている十七億円の借金はいったいどうなるんだ。それをクリアさせてからだ。十七億円をどうにかしてから考えろ!」》
いきなり社長の渡辺が17億円という金額を暴露したのだ。桑田のメジャー挑戦を阻止しようとする発言だとも報じられ、渡辺にも批判の声が集まった。
結局、桑田はメジャー挑戦を断念する。
桑田本人の回想
2001年には《早くも引退の声が囁かれている》として、週刊新潮(5月31日号)が「ボロボロ『桑田』大借金の重荷」という記事を掲載した。
本文には、桑田氏と読売新聞が“二人三脚”で借金を返済していった様子が語られている。《桑田の知人》が語った部分をご紹介しよう。
《「なにしろ借金は利払いだけで年間7000万円近い。そのため、年俸は球団が管理し、その中から生活費として月々100万円、150万円と渡されているそうです。それでも借金は残ったままで、引退しようにもできない。コーチでは年収3000万円程度ですから金利すら払えない。まるで巨人軍に飼い殺しにされているようなもんですよ」》
桑田は引退後、Numberの取材に応じ、その内容は「桑田真澄『独白』――誰も知らない本当の僕。」(註:石田雄太氏の署名記事)として連載された。
その第15回は「不動産トラブルと借金。」のタイトル。19年3月14日号に載ったものだ
《球団の経理担当者が僕の家に来て「桑田君、大変なことになっているよ」と言いました。目の前にポンと調査した書類を置いて、「今、桑田君にはこれだけの借金があることになります」と……僕はその金額を見て、ああ、よかった、これくらいなら返済できそうだと思いました》
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