東京五輪中止、32年に延期説も……ならば選手村マンション「晴海フラッグ」はどうなる?

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 英タイムズ紙が1月21日、与党幹部が今年の五輪開催を非公式ながら中止を決定、2032年の開催を目指していると報じた。これに対して内閣官房は「そのような事実は全くございません」と否定。しかし、仮に今年の開催が中止となった場合、選手宿舎を改修した上、販売される「晴海フラッグ」群は一体どうなるのか?

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 東京五輪は今年が無理なら、2024年への再延期説も出ている。もっとも、それには24年開催のパリ、28年開催のロサンゼルスの承諾を得なくてはならない。となると、32年開催がにわかに現実味を帯びてくるのだが……。

「今年、強引に五輪を開催してコロナの感染者が増えたら、日本の責任問題になりますからね……」

 と話すのは、住宅ジャーナリストの榊淳司氏である。

「アメリカやフランス、イギリス、ドイツはロックダウン状態ですし、アメリカの死者は第2次世界大戦と同じくらいに増えています。選手を五輪に出場させない国が続出し、参加が激減する可能性があります。五輪開催を完全にあきらめるか、32年に開催するか、二者択一となるとみています」

自転車で通勤

 いずれにしても、今年の開催は難しいと見ているようだ。

 晴海フラッグは2019年7月、分譲4145戸のうち第1期分譲として940戸が売りに出され、うち893戸に2220件の申し込みがあった。平均倍率は2・36倍で、最多販売価格帯は6400万円。入居は当初2023年の予定だったが、五輪延期で24年になっていた。第2期分譲は20年3月の予定だったが、延期となり、販売時期は未定となっている。

 五輪が1年延期となったことで、第1期分譲で契約した人には、契約を解除できるようになった。むろんその場合、手付金も全額返却されるという。いまのところ、解約した人はほとんどいないようだが、先の榊氏はこう断言する。

「手付金が戻るのであれば、解約することをおススメします。今年五輪が開催されなかったら、晴海フラッグは単なる駅から遠い不便なマンションになってしまいます。最寄り駅の大江戸線勝どき駅から歩いて20分なんて遠すぎます。今どきこんな立地のマンションは建てませんよ。しかも、勝どき駅周辺にはタワーマンションがどんどん建っており、勝どき駅はキャパオーバー。朝の通勤ラッシュはものすごく混雑します」

 交通混雑の解消のため、晴海フラッグと新橋駅を結ぶBRT(バス高速輸送システム)の運行を計画している。ピーク時には1時間で20便程度(乗客2000人)を運行するというが、

「BRTを運航させても足りないでしょう。結局、大手町まで自転車で通勤する人も出ると思います」(同)

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