香取慎吾「アノニマス」スタートでSMAPファンが思い出す33年前の“伝説的ドラマ”
アイドル像を変えたSMAP
もともと「あぶない少年」の第1・2シーズンは光GENJIが主演を務め、「あぶない少年III」も一種の“橋渡し役”として赤坂晃(47)と佐藤アツヒロ(47)が出演していた。
更にV6の坂本昌行(49)とTOKIOの城島茂(50)、国分太一(46)も出演者として名を連ねた。
今となっては豪華なキャスティングだが、前出の女性ファンは、「多分、視聴率は悪かったのではないでしょうか」と振り返る。
「ドラマの中でのSMAPは、昔ながらのジャニーズアイドルと同じ戦略で演出されていました。たのきんトリオや少年隊といった問答無用でカッコいい、まさに“スター”です。ところがSMAPの6人は、それが不思議なくらい似合わなかったのです」
結局、SMAPは歌もダンスも魅力を発揮することができず、活路をバラエティ番組に求めて売れっ子になったことはよく知られている。
「バラエティ番組でSMAPの6人は、自分たちの個性を前面に出し、等身大の魅力を発揮しました。『アイドル』には『偶像』という意味があります。旧来型のアイドルが作られた『虚像』だとしたら、SMAPはリアルな生身の魅力に満ちていたのです」(同)
パロディも披露
これでSMAPは“新規のファン層”の開拓に成功する。従来ならジャニーズアイドルには興味を持たなかった女性ファンも引き込み、老若男女に愛される“国民的アイドル”となる足がかりを得た。
「ところが『あぶない少年III』でのSMAPは、旧来型のアイドルとして、ドラマで虚像を演じていました。そのため注目する人も少なく、相当なSMAPファンでも『見たことがない』という人が少なくなかったのです。まさに幻のドラマでした」(同)
SMAPが売れれば売れるほど、「あぶない少年III」はお宝映像としての価値を増していった。テレビで紹介される機会も増えた。
またSMAP自身も、余裕の気持ちで振り返られるようになったのかもしれない。「SMAP×SMAP」(フジテレビ系列:1996〜2016)でパロディコントの題材に選んだことなどから、口コミでファンの間に広まっていったという。
「『スマスマ』で、SMAPがお揃いのパーカーみたいな服を着て、わざと棒読みのセリフでコントを演じているわけです。インターネットもない時代ですから、ファン同士が『あのコントは何だったの?』と情報交換します。すると詳しい人が『あれは昔、テレ東で放送されたドラマのパロディよ』と教えてくれるわけです」(同)
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