「菅首相」がワクチン担当相を「河野太郎」にした理由、政権の楽観・悲観シナリオについて
総務相や官房長官の起用も
菅義偉首相(72)は18日、ワクチン担当相に河野太郎行革担当相(58)を指名した。河野氏が担当になるまでの水面下の動き、その起用が吉と出るか凶と出るか、そして今後の菅政権の楽観・悲観シナリオにはどういったものがあるのかについて。レポートする。
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「菅さんがなかなか緊急事態宣言に踏み込まない、あるいは踏み込めなかったのは、1度出してしまうとそれを引っ込める判断がなかなかつかないだろうという考え方があったからです。コロナ制圧と経済との両立は本当に難しく、そうこうしているうちに、小池さん(百合子都知事)に押し切られてしまった。それでも、宣言を出すに当たって、ワクチン接種の見通しが立ったというのは大きかったと思います」
と、政治部記者。
菅首相は、ワクチン接種のスタートをきっかけに、コロナ禍はある程度、好転していくと見ていたわけだが、
「その時期が、想定していたよりも少し遅れそうな気配があったようです。ファイザーと厚労省との連絡がうまく行っていないなど、様々言われていますね。遅かれ早かれいつかはワクチン担当相が必要になったかもしれませんけれど、菅さんがワクチンの遅れにシビレを切らして手を打ったということもあります」
河野氏がどうして担当になったのか?
「各省庁にまたがって関係がある、そして何より菅さんが一番信頼しているということなのでしょう。ただ、市町村を通じて呼びかけ、接種するという『ロジ』の流れから考えれば総務相が適任だと思われますし、あるいは、各省庁にまたがっていることに鑑みてまさに官邸主導で行くのなら官房長官の起用も普通にあり得たはずです」
ミスター・ワクチン
自民党のある閣僚経験者はこう明かす。
「今回のワクチン担当相の件について、加藤(勝信)官房長官は事前にほとんど相談を受けていないという話ですね。もともと菅さんと加藤さんとは距離があるなぁという風には感じていたけれど。今回の件で加藤さんは外されたと思うだろうし、閣内の要の立場とはいえ、積極的にワクチンに協力しようという気になるだろうか。菅さんのように、秘書から地方議員、そして国会議員とのし上がってきたタイプにはこういうやり方を好む人がそれなりにいるんですよね」
永田町で、「河野ワクチン担当相」人事についての評価はどうか?
「結果として、ミスター・ワクチンなんて言われるようになれば大したものだし、それを望んでいますけれど、差し当たって“菅さんは人事のセンスがないよね”って声が大きい。河野さんは発信力があるし、突破力も素晴らしいんだけど、調整とかそういう点において心許ないというわけです。菅さんの懐刀と言われてきた和泉(洋人)補佐官が細かな点はやるんでしょうね。また、発信力とは言いましたが、彼が得意とするツイッターでは次々にブロック対象者が出てきていて、“ブロック太郎”って言われてるんでしょ? ブロック自体は認められた行為だからダメと言うつもりはありませんが、“異論は認めずあっさりとブロックされちゃった”報告が結構あるみたいで、政治家として懐が深くないとか、見識を問われる可能性がありますね」
策士、策に溺れるということなのだろうか。
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