1年前、コロナを新聞はどう報じたか 朝日は「それほど感染は広がらないとみている」
「心配する必要はない」
朝日新聞は1月12日、「武漢の肺炎 61歳が死亡 新型コロナウイルスで初」との記事を掲載した。
見出しにある通り、中国で初めて死者が確認されたという内容だが、朝日新聞は武漢市当局の《ヒトからヒトへの感染も確認されていない》という説明を紹介している。
また日本人の専門家にも取材し、《「ヒトからヒトに感染する可能性は」》と質問したが、
《「コロナウイルスがインフルエンザウイルスほど変異しやすいという議論は聞かない。過度に心配する必要はないだろう」》
《「新たな患者が1週間以上見つかっていないことから、これ以上広がる可能性は低いと思う」》
との回答だった
1月16日、厚労省は武漢市を訪れていた神奈川県在住の30歳代の中国人男性が新型コロナウイルスに感染していたと発表した。
新型コロナの患者が国内で初めて確認されたわけだ。対岸の火事ではなくなったはずなのだが、3紙の紙面は違った。
「ヒトヒト感染があっても限定的」
読売新聞は16日の夕刊で社会面を大きく使って詳報を行ったが、主見出しは大きな文字で「新型肺炎『冷静に』」と書かれていた。
記事では会見に応じた厚労省の担当者による説明が紹介されている。
《「人から人に感染した明確な証拠はない。感染が拡大することは考えにくいが、ゼロではないので、確認を急ぎたい」》
朝日新聞も翌17日の朝刊2面で、「新型肺炎 正しく備えるために」と大きく報じた。
国内で初めて感染が確認され、春節の大移動に懸念を伝えながらも、「継続的なヒトヒト感染 確認されず」とも強調している。専門家の指摘を伝えた部分をご紹介しよう。
《仮にヒトからヒトへの感染があっても限定的とみる》
《「感染があったとしても、インフルエンザやはしかなどと比べて確率はとても低い」》
《「現時点ではSARSやMERSと比べて重症度は低い」》
《「むやみに恐れる必要はない」》
[3/5ページ]