「慰安婦への賠償命令」で持ち上がる、日本拠出「5億円」の行方と支援金の「二重取り」疑惑

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“お金が入ればこちらからあげるよ”

 それが、吉田清治氏の証言(後に虚偽と判明)を1982年に朝日新聞が確証もなく取り上げたことにより、状況が一変。

 韓国国内で次から次へと、被害者だと名乗るハルモニたちが続出したのである(韓国政府が認定した慰安婦数は240名にも及ぶ)。

 この流れを扇動し、日韓関係をこじらせてきた中心として、挺対協(現:日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯)の存在がある。

 挺対協を長きに亘って率いてきた尹美香(ユン・ミヒャン)氏は現在国会議員となり、その一方で、「元慰安婦への寄付金横領」などの容疑で起訴され、裁判を待つ身だ。

 元慰安婦の1人は昨年、「韓国政府が日本円で10億円を受け取り、慰安婦被害者に950万円ずつ渡す時、尹美香から電話があり、“おばあさん、お金は受け取らないでください。 挺対協(正義連)にお金が入ればこちらからあげるよ”と言われ、絶対受け取れないようにした」と告白している。

 日本から拠出されたカネを受け取れば、慰安婦問題は「最終的かつ不可逆的に解決」してしまいかねない。尹美香氏がそう考えたとしても不思議ではない。

 それでも裁かれるべきは日本政府なのだろうか。

羽田真代(はだ・まよ)
同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。

週刊新潮WEB取材班編集

2021年1月14日掲載

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