「三浦春馬」さん、お別れの会延期の背景に「実母」 遺産を巡り両親が対立して
個人事務所の名義を実父の姓に
三浦さんが中学時代に役作りのために始めたサーフィンの師匠で、亡くなる直前まで親交を重ねた「茨城元気計画」代表の卯都木睦(うつぎあつし)氏(53)は、こんな三浦さんの様子が印象に残っていると話す。
「春馬が高校生の頃かな。サーフィンをした後、オレの家族と一緒に夕食で鍋を作ったりしたんだけどね。そういう家族団らんの食卓を、春馬は知らなかったみたいで、“なにコレ?みんなで分けて食べるの?”って珍しがっていたんだよ」
18年の正月には、彼の口から思いがけない言葉が飛び出したと続ける。
「オレの息子たちに、春馬が“50過ぎのオジさんと二人で神社に行っちゃった。もう親子だよね”って照れながら話してさ。こっちも冗談めかして“よし、オレが親なら、春馬は長男だからな”と言ったの。そしたら次の日も海に行こうよと誘われてね。元旦から2日連続で海に入った。“次に彼女が出来たら結婚したい”なんて、前向きな話もしてくれていたんだけど……」
そんな三浦さんは、2、3年前に地元の茨城で、小学生の頃に生き別れた実父と再会を果たしていたのだ。
「実父が病を患い入院して春馬は見舞いに訪れた。それをきっかけに二人で盃を交わすような関係となり、交流を深めていった。現在、相続の話し合いがつかない状態で遺骨は実母が持っているため、実父は満足に手を合わせることもできていないようです」(先の友人)
亡くなる1カ月ほど前、春馬は自らが代表を務める個人事務所の名義を、継父の姓から本名の「三浦春馬」に登記し直したことからも、実父側に心を寄せていたことが窺える。
そのため、遺産相続を巡っては、実母と実父それぞれが、“亡き息子はどちらに気を許していたのか”、それを巡る争いを繰り広げる可能性もあるのだ。
実の父は取材に答えて…
立正大学客員教授で相続問題に詳しい税理士の浦野広明氏が解説するには、
「兄弟のいないご子息が亡くなった場合、遺産は両親が離婚していても双方に半分ずつ相続できる権利が生じます。けれど、これは法的に強制力が伴うものではなく、当事者間の話し合いで決まります。片方の親が成人になるまで育ててきたなどの理由から取り分を多く主張して決裂すれば、家裁の調停、裁判へと発展するケースも多いのです」
泥沼化すれば長期戦も避けられないというのだ。
そこで、改めて茨城県内に住む実父を訪ねたところ、
「わかりません」
と繰り返して困惑するばかり。いまだに分骨が叶わない状況なのかと尋ねると、
「はい……」
と述べて、足早にその場を立ち去っていった。
突然の死に誰もが言葉を失い、悲嘆に暮れた。生みの親ならなおさらなのは言うまでもないが、骨肉の争いを知って涙を流すのは、仲睦まじい家族の姿を追い求めていた三浦春馬さんその人に違いない。
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