菅首相、“最大の弱点”が早くも命取りに……今後も改善の兆しなしでお先真っ暗
官僚に参謀は無理
デイリー新潮は20年9月14日、「早くも指摘される『菅義偉首相』の弱点 このままでは短期政権になると言われるワケ」の記事を配信した。
佐藤栄作(1901~1975)は、側近であり腹心だった田中角栄(1918~1993)と福田赳夫(1905~1995)を競わせ、長期政権の礎を築いた。
宰相の陰に名参謀ありというわけだが、翻って菅首相の周辺を見渡してみると、側近として活躍できる人物は誰もない──というのが、この記事の骨子だ。
政治家に側近候補が存在しないのなら、官僚を重用する手はある。菅内閣には、杉田和博・内閣官房副長官(79)、和泉洋人・内閣総理大臣補佐官(67)、北村滋・国家安全保障局長(64)といった面々が首相のブレーンとして機能している。
「3人とも超エリートで、まさに能吏です。ただ、彼らは政策を遂行するプロフェッショナルであっても、例えば政局のカンが冴えているわけではありません。菅首相に『コロナ対策で失敗すると、政権の潮目が変わってしまいます。世論の動向はこうなっています』とアドバイスできるようなタイプではありません」(同・政治担当記者)
内閣のキーマンは?
興味深いことに、安倍内閣を支えた今井尚哉氏は、“政治的カンを持った官僚”という珍しいタイプだったという。
「今井さんの特徴は、政策を進言するにしても、安倍首相に政局や有権者の動向を見据えながら説明していたことです。霞が関にエリート官僚は、それこそ掃いて捨てるほどいますが、ああいう人はなかなかいません」(同・政治担当記者)
昨年の12月16日に菅政権が発足して3か月になることから、日本経済新聞は15日、「首相、二階・林・森山氏と密接 3カ月間の面会、政権構造浮かぶ」の記事を掲載した。
日経が菅首相の面会記録を調査すると、二階俊博・幹事長(81)、森山裕・国会対策委員長(75)、林幹雄・幹事長代理(73)の3人が上位となったとし、この3人が《政権の手綱を握る構図》が浮かんだと指摘した。
「3人の中でも特に菅内閣のキーマンと言えば、二階幹事長と森山国対委員長でしょう。二階さんは和歌山県議、森山さんは鹿児島市議から政治の世界をスタートさせた叩き上げで、同じように横浜市議だった菅さんとは気が合うのでしょう」
政権迷走の原因
実務派であるところや、寝業師的なイメージなど、確かに3人には相通ずるものがあるようだ。
「二階さんも森山さんも実力者であることは間違いありませんが、政策通だったり、傾聴に値する国家観を持っていたりするようなタイプではありません。新型コロナに際して、日本という国家をどう舵取りするかといった点でアドバイスをすることはできないでしょう。こうして結局、菅さんは1人で何事も決める必要に迫られ、処理能力の限界を超えて政権は迷走しているのです」(同・政治担当記者)
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