コロナ、感染者ゼロで注目された岩手県 いまや死亡率ワースト1のなぜ 

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医療関係者20人で会食

 岩手では11月以降、俄かに感染者が増え始めた。

 先の医療政策室の担当者によると、

「11月7日、医療関係者約20人が、盛岡市大通の飲食店で会食をしたところ、クラスターが発生しました。私的な会食だったと聞いています。あくまで自己責任で行ったのでしょうが……」

 約20人のうち、感染したのは県外の医師1人を含む7人だった。感染者の中には盛岡赤十字病院の40代の男性医師がいて、自身が診察した患者や元患者6人に感染させたという。

 さらに、同じ日に医療関係者が会食した店で県の職員3人も会食、3人とも感染したという。

 医療関係者や県の職員が会食で感染してしまったのは、7月以降も感染者がほとんどなかったため、気が緩んでしまったせいなのか。

感染対策と治療の経験不足

 12月にはさらに感染が広がる。

「12月10日には、盛岡市の病院の入院患者1人と雫石町の高齢者医療施設の職員21人が感染しています」(同)

 その2日後の12日は、

「43人の感染者が確認されています。43人のうち41人は先の高齢者医療施設です」(同)

 41人の内訳は、患者が38人、その家族が2人、出入り業者が1人だった。

 その後も連日のように感染者が確認され、死者数も増えたという。

 ちなみに、これまで6万人以上の感染者が出ている東京では、昨年5月末時点での死亡率は5・8%と高水準だった。ところが、日を追うごとに死亡率は低下し、現在都市部の中では最低水準になっている。

「岩手については感染者の少ないこともあり、治療の経験不足はあるかと思います。地方では、集中治療室(ICU)や専門医が少ないという指摘もありますが、岩手での重症患者は4人(1月4日現在)に過ぎません。そのため、医療機関は逼迫した状況ではありません。ただ、感染拡大はまだまだ続くと思われますので、今後は老人医療施設を中心に感染対策を強化していくつもりです」(同)

週刊新潮WEB取材班

2021年1月11日掲載

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