イタリア人料理研究家が選ぶ最高の居酒屋は森下に? 「本当の日本料理は居酒屋にある」
好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第71回は、ベリッシモ・フランチェスコさん。今回は「鳥長(とりちょう)」に伺いました!!
“明るく陽気で女好き”、そんなイタリア人男性のイメージを地でいくベリッシモさん。料理研究家として、テレビ番組やCMなどで活躍する合間には、さぞデートで忙しいことだろう。稀代のプレイボーイが、
「デートで連れて行ったら、みんなカンゲキするよ」
そう太鼓判を押すのは、代官山でも恵比寿でもなく、江東区森下の焼鳥屋さん「鳥長」。実に渋~い町の、渋~いお店である。近くのコートでフットサルをした帰りに、チームメイトとふと寄ったのがはじまり。すっかり気に入ってしまい、重宝するようになったという。
仕事柄、ワインを飲むことが多いベリッシモさんも、こちらではまずレモンサワーから。壁にズラリと貼られたメニュー札を眺め、吟味の果てに頼んだのは、白子ポン酢、まぐろ納豆、塩辛、じゃがいもチーズ焼き、そして串の盛り合わせ。
「最初に来たときは、焼鳥屋だと思わなかったね。それぐらい魚介が新鮮だし、メニューも豊富。日本料理って、本当は居酒屋にあるんじゃないかな。懐石料理よりも、こっちのほうが日本の食文化がわかると思うなあ」
そう言いながら、たのしそうに納豆をかき混ぜる。ワインにチーズ、イタリアの名物はどれも発酵食品だから、納豆も大好物。串が運ばれてからは、熱燗の出番です。
「ドイツにもグリューワインがあるけど、アルコールをあっためる文化、いいよねえ」
焼鳥には、これでもかと七味をかけるのがベリッシモ流。気持ちが弾んだ勢いで、生ガキとおにぎりを追加、生ガキはチュルッと一口で。大きなシャケのおにぎりを手に、
「ほのボーノ!」
なんてダジャレも飛び出す。お得意の下ネタも磨きがかかる。まだ宵の口、カウンターにはカラの徳利が続々と並びそうです。