算数問題の解答にあ然 「結果」だけを求め過ぎる日本社会の弊害は、教育の現場にも
2020年はコロナ禍で大変な1年であった。第一波が大きくなった昨春、いわゆる「数理モデル」での感染者数予測が世界中で盛んになった。200年に1度あるかないかの災難だっただけに、日本でもその予測を多くの国民が注目した。
未知のウイルスの脅威が差し迫っていたゆえ、厳しい目が注がれたことは仕方がないとは思う。だが、数学と数学教育が専門の私からすれば、あまりにも結果に対して「当たったか当たらなかった」のみに注目しすぎていたように思う。
数学には、方程式や図形の性質を研究するような「構造」に注目するものがある一方で、時間に伴う「変化」を研究する解析学という分野がある。...