ふかわりょうが「ぼっち旅」「一人焼肉」に抱く違和感 一人でいるのは当たり前では?
喫茶店の店員に連絡先を渡した結果…
「もしよかったら、連絡先でも」
可愛らしい制服のウェイトレス。あまりにキュートな容貌に、20代の私はつい声を掛けます。
「じゃあ、僕の番号を書きますね」
ケータイ番号が書かれた紙のナプキンが彼女の手に渡り、エプロンのポケットの中に畳まれて収納されました。きっと掛けてくるだろう。こういう時、男はなぜか根拠なく楽観的思考になるもの。その夜です。
「きた!!!」
見知らぬ番号を掲げて私のケータイが鳴っています。その日のうちになんて、最高じゃないか。芸人になってよかった! テレビの力ってすごい! そんな気持ちを悟られないよう、極めて低いトーンで出ました。
昼間とは違う女性が
「もしもし」
「あの~今日、喫茶店で」
「喫茶店?」
「はい、いらっしゃいましたよね?」
「あ~そうだそうだ、はいはい」
ずっと待っていたくせに、思い出したかのような応対。
「今日、お店で番号渡しましたよね、その子のバイト仲間なんですけど、ほんとなのかなと思ってかけてみたんです!」
バイト仲間? どういうことだろう。言われてみれば、声が昼間交わした女性とは違う気がします。一体何が起きているのか。
「えっと、そっか。じゃあ、教えてもらったってことかな?」
「いえ、貼ってあったんです」
「貼ってあった? どこに?」
「冷蔵庫です」
「冷蔵庫?」
「はい、厨房の」
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