エイベックス本社ビルが「築3年」で売却 入札額トップが落札できなかった奇々怪々

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どうしてこだわったのか

 一時は金主を失ったものの、760億円を提示した不動産投資会社は台湾系の金融機関を新たな出資者に据え、交渉を再開。

「その不動産投資会社が、入札を主導していた銀行の担当者に出資者の変更を相談すると、“760億円が維持できるのであれば、エイベックス内部はまとめられる”と前向きな説明を受けたそう。ところが、しばらくすると、銀行から不動産投資会社側に、“やっぱりグリーンオークからの転売で買ってもらうという形でお願いできないか”なんて打診があったといいます」(同)

 11月10日には、東洋経済オンラインで突然、〈グリーンオーク社が優先交渉権を得た〉と報じられたが、その報道が覆ることはなく、今回の契約発表に至ったのである。

 銀行とエイベックスは、どうしてグリーンオーク社にこだわったのか。

「本社ビル売却はもともと銀行とグリーンオークとの間で、かねて内々に話が進められてきたのだといいます。金額はだいたい700億円前後。ところが、そこへきて、別の社からも声がかかった。早い話、銀行が二股をかけたものの、当初から交渉を進めてきたグリーンオーク社を切ることができなかったということ。グリーンオークの最終的な購入額は720億円程度で当初の入札額よりアップしていますが、それでも最高額の760億円とは40億円もの差が開いています」(同)

 エイベックスは歴とした東証一部上場企業である。再起を図るための本社ビル売却が“結論ありき”だったとすれば、株主も納得しないのではなかろうか。

週刊新潮WEB取材班

2021年1月2日掲載

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