ロッテ「佐々木朗希」“数字は聞いちゃダメ”事件 プロ野球の宝でも“過保護”の声
思わぬところに潜んでいた「NGワード」
仮に質問をした記者をAさんとさせていただく。実はAさんは野球担当記者の間では知られたベテラン記者だ。取材中に何気なく聞いた一言が、相手の癇に障ってしまうようなことは誰しも経験あること。だが、彼は何一つ悪いことを聞いていないのだ。いったいどうして……。混乱したに違いない。
実は、Aさん以外の番記者たちはわかっていた。彼が「NGワード」にひっかかってしまっていたことを。難しすぎる“引っ掛け”問題なので、もう一度質問を確認しよう。「ブルペンでは何割の力では投げましたか」。実は、この中の「何割」という言葉が「NGワード」だったのだ。
「キャンプ前の自主トレ期間中に、ロッテ広報から番記者たちに『本人が数字に関する質問は嫌がっているから、絶対にしないでほしい』という申し入れがあったのです。『何割』は数字に関わるからアウト。注目ルーキーですから、いろいろ聞かれて嫌になったのかもしれません。ただ、大御所の選手ならばともかく、結果を残す前のルーキーが口にするような話ではありませんし、こんな制限をつけることは前代未聞です。記者の質問に答えるというのも、プロ野球選手の仕事の一つではあるのですから」(同)
Aさんはロッテの「番記者」ではなく、当日はヘルプで来ていた記者だったので、「NGワード」を知るよしもなかった。
「とはいえ、無礼な質問でもないわけですから、佐々木も適当に答えればいいだけのことです。けれど、彼は“おい、それはご法度だと言ったはずだろう”といった顔をしている。そして、もっとバカなのが、球団広報なのです。その後も普通に質疑が続いたんですが、囲みが解かれた後にAさんを呼び止めて……」(同)
高圧的に詰め始めたというのだ。
「なんで数字に関する質問したの?」
「いつも見ているわけじゃないのに質問しないでくれる?」
かわいそうなAさんは、『こちらの引き継ぎミスです』と平身低頭で謝罪し続けたが、
「それでも、広報担当はネチネチ言い続けている。よく耐えているなと思いながら見ていました。彼も内心、なんでこんなことで謝らなければいけないんだと思いながらも、大人の対応を取ったのでしょう。ただ、これで終わりとはなりませんでした。しばらくして、ようやく広報担当が彼を解放した後のことです」(同)
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