小児ガンを克服、お笑い芸人を目指した「23歳青年」はなぜ自死したのか【石井光太】

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「小児ガンから回復しても、その後の人生はとても大変なものになります。私の経験でいえば、小児ガンを経験した人は、大病をせずに育った健康な人より、自殺率が十倍くらい高い。病後の生活は、それだけ困難なのです」

 こう語ったのは、小児科医の原純一(大阪市立総合医療センター副院長)だ。

 日本では年間二五〇〇~三〇〇〇人くらいの子供が小児ガンだと診断されている。発生率はおおよそ一万人に一人だ。

 かつて小児ガンの子供は、半数ほどが治療の甲斐なく亡くなっていたが、近年は医学の発達によって七割ほどが回復して社会復帰を果たしている。...

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