「日韓慰安婦合意」から5年 解決どころか後退を“主導”した「黒幕」とは?

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多数の国民が「もう騙されない」

 日韓両国が慰安婦問題を最終的かつ不可逆的に解決して、元慰安婦が安らかな老後を送り、少女像も撤去されると慰安婦団体の存在理由は消滅する。

 元慰安婦を支援する名目で寄付金を受けることはできなくなり、国会議員になる機会も失われるだろう。

“慰安婦”という聖域を守る番人の権力は剥奪され、人々の記憶から消え去る。

 日本が慰安婦問題に関して何度謝罪しようが、「真の謝罪がない」と受け入れ拒否を扇り、金銭を受けないように圧力を加える現状維持を彼らは切実に願っていることになる。

 現在、日韓関係が破綻寸前まで追い込まれ、日本政府は文在寅政府を信頼せず、対話さえ拒絶している。その幾らかの原因は、正義連と尹美香議員にあると言っていいだろう。

 韓国世論は、彼女らの活動に否定的で、多数の国民が「もう騙されない」と考えるなか、慰安婦団体への寄付金が大幅に減ったと伝えられている。

 朴槿恵政権下で高位公務員職に就任し、保守野党から国会議員選挙に出馬した余明淑(ヨ・ミョンスク)氏は19万人以上の購読者を有する自分のユーチューブ・チャンネルに、正義連と尹美香議員の不正を詳細に伝えて批判する映像をアップロードした。

 それぞれ20-30万回のPVを達成するなど反響が大きい動画のなかで、余明淑氏は正義連と異なる透明性がある方法で寄付金を集めて元慰安婦たちに渡したいと述べ、視聴者から受け取った寄付金の詳細を公開し、元慰安婦に支給した。

コロナ禍にパーティー連続出席

 一方の尹美香議員は、韓国内の新型コロナウイルスの新規感染者が1日600人を超えた日に知人とのワインパーティーを楽しんでいた。

 その後、自身のフェイスブックページに新型コロナウイルスが拡散する懸念を表明し、「不便だが、みんなでしばらく(会うことを)止めよう」とメッセージを残している。

 彼女はその後日に開かれたパーティーにも出席し、そこで撮った写真を自身のインスタグラムに掲載した。

 批判を浴びたのは言うまでもない。

 尹議員は元慰安婦の誕生日を祝賀するパーティーだと弁解したが、実態はどうやら異なるようだ。

 前出の余明淑氏は12月15日、当事者の元慰安婦の肉声が録音された映像をユーチューブにアップロードした。

 映像で元慰安婦は「正義連の寄付金7920万ウォンを取り戻したい」とハッキリ不満を漏らしている。

 このように国民が正義連の実体を知って背を向けるなか、いまだ彼らを支持する「韓国の彼女たち」がいる。

 女性の人権伸張を目標に掲げつつも、その閉鎖性が問題視されている「女性家族部」がそれだ。韓国の歴とした中央行政機関である。(続く)

田裕哲(チョン・ユチョル)
日韓関係、韓国政治担当ライター

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月28日掲載

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