世界選手権10連覇「中野浩一」が語る“天才のペダリング”(小林信也)
「競輪選手になるのか」
高校の同級生が言った蔑みの言葉がずっと耳に残っていた。中野浩一が言う。
「悔しくってさ、“見てろ、アッという間に稼ぐからな。お前らの1年分、3カ月で稼いでやる”って捨て台詞を吐いたんだ」
強くなるしかない、どうやったら勝てるか、その一念だった。
「中学、高校と陸上部。高校2年のインターハイは400メートルリレーで全国優勝。陸上の推薦で大学に入って、将来は体育の先生になるか、実業団で陸上を続けようと考えていた」
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