ウーバーのライバル「ウォルト」って? 「地元の名店」の配送で差別化

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 都会では、フードデリバリーが定着して久しい。

「アプリをダウンロードして、お店のメニューをタップすると、近くの配達員を探してくれる。登録したクレジットカードで配送手数料と食事代を合わせた金額を払うと、数十分後には料理を自宅まで届けてくれる。この手軽さと巣ごもりによる需要増から、市場は約4200億円にまで拡大しています」(外食ジャーナリスト)

 最大手は言うまでもなく「ウーバーイーツ」。同社のロゴが入ったバッグを背負った配達員が、自転車で街中を疾走する姿を見かけたこともあろう。フードデリバリー市場の4分の1のシェアを握ると言われる。

「ウーバーイーツの配達員は、身分証などを登録し専用バッグが届いたら、その日から働くことができます。配達する距離によって収入は変わりますが、1日働くと数千円~1万円以上稼ぐことができます」(同)

 コロナ禍による不況下、配達員のなり手は引きもきらないという。かくて客もいて働き手もいるなら、ウーバーイーツばかりに大きな顔をさせておくこともない。今年3月にはフィンランドの「ウォルト」、9月にはドイツ系の「フードパンダ」、さらに12月には韓国系の「フードネコ」と次々日本に上陸してきたのである。国内資本では「出前館」もある。

 その一社「ウォルト」によると、

「当社はまだ日本で馴染みは薄いのですが欧米では“東のウーバー、西のウォルト”と並び称されるほどの大手です。配達する料理も“地元の名店”のものが中心です。配達員には研修を受けさせ、時給の保証もある。ただ配達するのではなく、クレーム対応など含めた丁寧なサービスが強みです」(広報担当者)

 ここに来て、業界は一気に戦国時代の様相だが、ITジャーナリストの三上洋氏によると、

「日本は都市に人口が集中しており、高齢者が多い。フードデリバリーが参入しやすい市場なのです。すでにアメリカでは『ドアダッシュ』という会社が上場していますが、これからは、食事だけでなく日用品も配達してくれるサービスが出てくるでしょう」

 ビジネスは拡大し、競争は激化。いま以上に配達員が走り回ることになりそうだ。

週刊新潮 2020年12月24日号掲載

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