韓国現地取材 「反日不買」の支持率70%超という調査結果に、市井の人々はどう答えるか?
不買運動に対する支持は高い
12月22日、ソウル聯合ニュースから「70%の韓国人が日本製品不買運動に参加経験 40%が『今後も運動を続ける』」という調査結果が報道された。
まずは、記事の中身をざっくり紹介しておこう。
70%超の人々が日本製品の不買運動に参加した経験があると答えた、と伝えている。
男女別だと、男性(67・2%)に比べて女性(76・4%)の方が多く参加し、年齢別では20代=67・6%、30代=75・6%、40代=70%、50代=74%となっている。
さらに、品物を購入する際、日本製か日本産か否かを確認して購入するかを消費者に尋ねたところ、50%を超えた。
不買運動に対する支持も高く、消費者の69・3%が「日本製品不買運動が必要だ」と考えている。
不買運動の対象になった企業は、カジュアル衣料品店のユニクロが75・7%で最も多い。
そこから、アサヒビール(71・1%)、サッポロビール(56・6%)、ABCマート(49・4%)、無印良品(47・5%)、キリンビール(44・4%)と続く。
ひるがえって、この運動は市井の人々にどのようなインパクトを与えたのか。取材班は、現地の日系企業従事者たちに話を聞いてみた。
・ロッテアサヒ酒類の40代 男性 営業
去年の8月の反日、不買運動開始の時は凄く悔しい思いをしました。
アサヒビールはそれまで国内シェアトップでした。
文政権の扇動で不買が始まった途端、手の平返しのようにウチの商品を並べるのを拒絶されるようになります。
飲食店はそれでも頑張って販売をしてくれていましたが、個人経営のコンビニ、スーパーは偏った考えのオーナーも多く、大変苦労しました。
以前は「日本のビール以外はまずい」と言っていたオーナーが、文支持のために不買運動に参加し、棚からビールを撤去するんです。
本当に辛かったし、同じ韓国人として恥ずかしさ、怒りも感じました。
リンナイはあまりに生活に密着しているので
・リンナイ 家庭用ボイラー・メンテナンス担当者 30代 男性
そうですね、我々は不買の影響を大きく感じたことはないですね。
メンテナンスなので毎日、依頼があればどの家庭にも行きますが、どこでも「日本製品だから」とクレームを言われたことはないです。
私の担当地区はカンナンの高級住宅地区も入っています。そして住宅の場合、オンドルのボイラーはほぼ当社、リンナイの製品を使っていただいています。
「他メーカーに比べ故障率が低い、信頼できる」という評価はとてもありがたいです。
韓国ではオンドル暖房のリンナイはあまりに生活に密着しているので、日本のメーカーって知らない人も多かったのでは? 今回の不買運動で知った方も少なくないですよ。
ただ、こんな時期でも、不買を叫びながら当社の製品を使っていると思うと複雑ですね。
・ユニクロ エリア責任者 閉鎖前の店舗にて話を聞いてみました。
私は9年前に日本へワーキングホリデーを利用して行き、1年住みました。
ソウルの大学で日本語を専攻し日本文化に興味があり、転職をする前にどうしても日本に接したかったからです。
日本での生活にはすぐ慣れ、何より韓国と違うと思ったのは彼らが民族、愛国心という概念に囚われていないことです。
ある日、勤め先の店長と戦争責任について話をしたことがあり、彼はこんなことを言っていました。
「あなたも私も戦争は知りませんよね? 当然、過去の過ちの歴史は認識しなければいけないが、戦争を知らない我々が戦争について何を語ることができるんでしょうか? 戦争を知らない我々には未来しかないのでは? 日本も戦後、国の復旧のために未来を見つめてきた結果、今がある。韓国のように戦争も知らない子たちにまで、国が率先して“恨み”を植え付けることはよくないのでは?」
自分の考えの虚しさをこれほど恥じたことはありません。
こんなご時世でも、その店長とは今でも親しく連絡を取り合っています。
反日不買に関しては、いつまでこんな不毛なことを国民に強いるのか? と思います。
閉店店舗ですか? 都市部は家賃が高いのと不買にコロナが重なって売り上げが家賃に見合わないので、ソウル郊外への展開を強めているはずです。
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