第二の「周東」「甲斐」は誰だ!ソフトバンク「育成」で次にブレイクしそうな4選手

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ワケあって降格の黒瀬健太

 内野手は15年のドラフト会期で5位指名されながら、ワケあって育成に降格した選手を挙げたい。

 和歌山県の初芝橋本高校出身の黒瀬健太だ。身長181センチ、体重97キロの右投げ右打ちの大型野手である。1年春からベンチ入りし、秋からは正捕手として活躍した。高校通算歴代3位となる97本塁打を放っている。両翼98メートル、中堅120メートルを誇る和歌山県営紀三井寺球場でレフトスタンドを大きく超える140メートル超の特大ホームランを放ったこともある。長距離砲だ。

 プロ入り後はその長打力を生かすべく捕手から内野手に転向したが、2年目の17年に骨折や脳しんとうに見舞われる不運もあり、18年オフに育成選手に。

 それでも今年は2軍戦に11出場し、打率1割5分4厘、3軍戦では48試合に出場し、打率3割2分8厘、8本塁打、23打点という成績を残している。

 とにかく、彼のその長打力は魅力で捨て難いものがある。あとは確実性を磨き上げて再度の支配下登録を狙いたいところだろう。

舟越秀虎の売りは…

 外野手は、19年の育成ドラフト5位・舟越秀虎に期待したい。舟越は熊本県の城北高校出身で甲子園出場経験はない。3年夏にようやく9番・レフトのレギュラーの座をつかんだくらいだから公式戦での実績はあまり残せていない。当然、中央球界では無名の選手であった。そんな舟越のプロ1年目の今季は2軍の公式戦出場はゼロ、3軍戦でも出場はわずか18試合だった。

 それもこれも、今年3月下旬に直視下左手関節とうしゃく靭帯縫合術と左手三角線維軟骨縫合術を受け、復帰まで約5カ月かかったからだ。それでも復帰後の3軍戦では25打数8安打で打率3割2分、4打点、1盗塁という成績を残した。

 とはいえ、ここまでの記述だと何がこの選手の魅力なのか謎であろう。舟越は身長182センチ、体重73キロという細身の右打者であるが、脚力が売り物なのである。50メートルを5.8秒で、ベース一周を14秒フラットで駆け抜ける俊足の持ち主なのだ。

 これは今季パ・リーグの盗塁王に輝いた先輩の周東佑京に匹敵する速さである。中学時代には陸上部に駆り出されたこともあるなど、俊足を評価されての育成枠指名だったのだ。自慢の脚力を生かした外野の守備範囲は広い。まずは足のスペシャリストとして“代走”での活躍が期待される。

上杉純也

週刊新潮WEB取材班編集

2020年12月25日掲載

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