第二の「周東」「甲斐」は誰だ!ソフトバンク「育成」で次にブレイクしそうな4選手

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 今年のプロ野球は、福岡ソフトバンクホークスの4年連続日本一で幕を閉じた。読売ジャイアンツを2年続けて4タテで倒すなど、その圧倒的な強さが際立っていた。

 そんなホークスで特に注目したいのが、日本シリーズ全4戦でのスターティングメンバーに周東佑京、牧原大成、甲斐拓也と3人もの育成出身の選手がいたことだ。さらに先発した千賀滉大、石川柊太の2人も育成出身である。これだけ多くの育成出身選手がチームの中心選手になるのは実に驚くべきことだ。

 そこで今回は同球団の育成選手の中から2021年以降に支配下選手登録が期待されそうな投手・捕手・内野手・外野手を1人ずつ紹介していこうと思う(なお、今年の育成ドラフトで指名された選手は含んでいない)。

 まずは投手から。千葉英和高から国士舘大を経て、18年育成ドラフト3位で入団した重田倫明を推したい。

 高校時代は全国大会とは無縁で、大学時代は疲労骨折したため、リーグ戦での登板はわずか2試合(投球回も通算4イニング)。3年生以降は練習試合にさえ登板していなかった。

 身長185センチ、体重87キロという恵まれた体格から投げ下ろす最速146キロの伸直球と縦のスライダーが武器である。クセのないピッチングフォームから柔らかい腕の振りで投げ込んでいくスタイルで、強気の投球術も魅力のひとつだ。

 プロ入り1年目の19年は3軍戦に33試合登板。42回1/3を投げ、0勝3敗6セーブ、防御率1.91という成績を残した。

 2軍のウエスタンリーグ公式戦にも2試合登板し、2回を投げ、被安打1、2与四死球で無失点に抑えた。今年は3軍戦で21試合に登板し、74回を投げている。2勝4敗3セーブ、防御率は2.07であった。

 2軍の公式戦でも1試合に登板し、3回を投げ、被安打6、与四死球4、3奪三振、失点6、自責点6で防御率はなんと18.00。惨憺たる結果だった。が、大学時代はほとんど投げていなかったことを考えれば、着実に復活していると言っていいだろう。

 加えて、プロ1年目で体重を6キロ増やし、球速で計測される以上に重量感のあるボールを投げられるようになったことも大きい。それを裏付けるのが6月13日に行われたファームの練習試合のオリックス・バファローズ戦だ。

 この試合、7回から4番手として登板した重田は2回を投げ、パーフェクトに抑えたが、6つのアウト中、内野ゴロが4つもあったのである。スピードが足りない分、アップした球威を武器に内角に投げて相手打者を押し込んで詰まらせたのだ。

捕手は石塚綜一郎に注目

 続いて捕手である。19年育成ドラフト1位で岩手県の黒沢尻工から入団した石塚綜一郎に注目したい。

 甲子園出場経験はないが、高校時代から強肩強打の捕手としてスカウトの注目を集めていた。3年春の県大会1回戦には4球団のスカウトが視察に来たほどだ。

 身長181センチ、体重83キロという堂々たる体格から振り切るスイングで強い打球を放つ右の強打者で、高校通算39本塁打をマークしている。捕手としては二塁送球到達タイム1.88秒の強肩を誇り投手もこなしていた。

 特に3年夏の岩手県大会ではエースのケガにより、3番を打ちながら、投手として全5試合に登板し、夏の岩手県大会において同校36年ぶりのベスト4進出の立役者となった。プロ入り1年目の今シーズンは2軍の公式戦出場はなかったが、3軍で40試合に出場し、70打数13安打で打率1割8分6厘、1本塁打、12打点という成績を残している。

 この石塚の魅力はなんといってもパワーだろう。高校時代から木製バットを使って打撃練習し、芯に当たれば柵越えを連発していたという

 高校時代の3年間の夏の県大会13試合で3本塁打を放っているが、その中には両翼92メートルの花巻球場で打った左翼場外弾が含まれているのだ。

 もっとも、本人は捕手1本で行こうとしているようだが、高校時代は1年春からサードのレギュラーの座をつかみ、ショート挑戦、サード復帰(投手を兼任)を経て、2年秋から捕手を務めるようになった経緯がある。

 つまり捕手としての経験値がまだまだ少ないワケだ。だが、逆に考えればそれは伸びしろが大きいともいえる。思えば、今年の日本シリーズMVPに輝いた栗原陵矢も高校時代は強打の捕手だった。ならば、自慢の打撃を生かすために野手転向という選択肢もある。

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