「高校生クイズ選手権」、40回目にして最低視聴率を記録、コロナだけじゃない原因は?

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 12月11日に放送された「第40回全国高等学校クイズ選手権」(日本テレビ)、いわゆる“高校生クイズ”の視聴率は6・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)と、歴代最低を記録した。今年はコロナ禍のため、夏の開催が見送られた上、リモート収録という異例の事態だった。とはいえ、もはや“知力・体力・チームワーク”の時代ではないという声も……。

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 第1回「高校生クイズ」は、1983年の大晦日に放送された。ある放送作家が言う。

「そもそも『高校生クイズ』は、『アメリカ横断ウルトラクイズ』の弟分的な番組として始まりました。どちらも初期の総合司会は福留功男アナです。『ウルトラクイズ』は18歳以上でないと出場できなかったため、高校生が参加を熱望。その声を伝え聞いた福留さんが企画して、『高校生クイズ』が始まったと言われています。大晦日に放送された第1回の視聴率は8・8%と決してよくはなかったが、ギャラクシー賞月間賞を取るなど評判もよかった。それで翌年は夏と冬、年2回の開催となったんです」

 86年からは年1回、夏の開催となり、夏の風物詩として定着した。87年には歴代最高の20・4%を記録した。それが今回は、6・9%に。

リモートは伝達力

「コロナ禍で夏の地区大会ができなくなり、今回の全国大会も全校リモート参加でした。全50チームをリモートで繋いだシステムを構築したのは感心しました。しかし、視聴者はリモートやソーシャルディスタンスには飽き飽きしていますからね。何より、3時のヒロインや四千頭身、乃木坂46といったゲストが、高校生の指令を受けて、彼らの代わりに体を張って回答するという試みは失敗だったと言わざるを得ません」

「ウルトラクイズ」のキャッチフレーズ“知力・体力・時の運”だったのに対し、「高校生クイズ」は“知力・体力・チームワーク”だった。ところが、リモートとなった今回の売り文句は、

〈発想力、想像力、さらには伝達力まで試される〉

「芸能人に回答させるのに、伝達力とは言いも言ったりですが、やはり高校生たちが体を張らないと。コロナ禍で無理なことはわかっていても、視聴者もシラけてしまったのでは。もっとも、“知力・体力・チームワーク”のコンセプト自体がすでに終わっているのかもしれませんがね」

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