「NiziU」ブレイクの空気を作り出した「日テレ商法」とは 出演の約半数が同局

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“待望のデビュー”という触れ込みで「NiziU」のファーストシングルが発売されたのは12月2日のこと……。あれ、まだデビューしてなかったの?!

 NiziUは、韓国の芸能事務所・JYPエンターテインメントと、日本のソニーミュージックによる合同オーディションで誕生した9人組ガールズユニット。

「簡単に言えば“日本版K-POPアイドル”ですよ。今年6月に“プレデビュー”すると、オーディションの頃から追っていた日テレは、朝から晩まで繰り返し彼女らの姿を流し“注目度の高さ”を演出していました」(スポーツ紙記者)

 どうりでデビューと聞いても“既視感”しか覚えなかったワケである。

 しかし、この“既視感”こそ、日テレの思う壺だというのは、さる民放幹部。

「NiziUの売り出し方は“日テレ商法”の完成形と言ってもよいでしょう」

 どういうことか。

「最近の日テレは、無名のタレントや芸人を自局の番組で使い倒して、あたかもブレイクしたかのような現象を作り出すことに執心してきました。芸人のひょっこりはんやブルゾンちえみ、ものまねタレントのりんごちゃん、『イッテQ!』のイモトアヤコなんてその好例。他局では日テレほどその姿を目にしませんでした」

 NiziUは、さらにその傾向が顕著だといい、

「日テレはオーディションの様子などを傘下の『Hulu』で動画配信。視聴者が地上波から『Hulu』に流れてくれれば、それがそのまま収益に繋がりますからね」

 実際、直近1カ月だけをみても、彼女たちに関する300件超の出演情報のうち約半数が日テレで、力の入れようは桁違い。

「当初は“日テレの金儲けに協力するな”と、他局は冷淡でしたが、今や“バスに乗り遅れるな”と多くの局が起用するようになりました」

 まさに日テレの完勝。

 だが、コラムニストの小田嶋隆氏は、

「日テレ商法は、まるでタコが自分の足を食っているかのよう。『Hulu』への誘導にしても、地上波が時代遅れになりつつあることを、当の日テレが認めてしまっているように映ります」

 ブームの裏に時代の変容。

週刊新潮 2020年12月17日号掲載

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