韓国だけに存在する「戦犯旗」という呼び方 「歴史知らず」と「反日カード」が激化して
歪曲された着物の話
韓国には、旭日旗を戦犯旗と呼んだり、ナチスのハーケンクロイツと同一視したりして批判する“文化”がある。旭日旗の意匠は世界に拡散しており、しっかりとした意味付けもあるのだが、そんな理屈は理解されない。むろん、韓国人がすべてそんなわからずやというわけではない。1977年生まれの韓国人ライター、ソウルトンボ(ペンネーム)氏は同胞たちの偏狭さを嘆く。
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高校時代の歴史の担任は、ことに日本を嫌っていた。
日本が嫌いだろうが、好きだろうが個人の自由だが、のちに日本との様々な交流を通じ、その担任は歪曲された情報を事実だとして教えていたことがわかった。
着物を「日本の伝統的な文化に基づいた正統衣装だが、戦争が頻繁にあったせいで男性の死亡率が高くなって作られた服だ」と“解説”した。解説、と言ったが、意味不明だ。
さらに着物は男性がいつでも性交渉ができるように作られた服で、着物自体が野原や野外で性交渉をする時に床に敷ける用途を持っていると話した。
そして、日本の性生活は乱れ、不倫が多く……というような説明が続く(今は日本もそうなのかもしれないが、韓国の“乱れ”の方がヒドいと感じている)。
知り合った日本人にこの話をしたら「ちゃんとした着物は一人で着たり脱いだりするのは難しいし、使う結び目もいろいろある」と大笑いした。
歪曲された着物の話は、韓国の40代以上なら一度は聞いたことがあるほど有名で、未だにそれを事実と勘違いしている人もかなりいる。
似たような例に「戦犯旗」がある。
世界中で「戦犯旗」なる単語を使っているのは韓国だけだ。
「戦犯旗」は国語辞典には掲載されていない語で、2010年代に韓国の報道機関で初めて登場した。むろん旭日側を批判するために使われた。
「光条模様の旭日旗」は、現在も日本の自衛隊や在日米軍が使用しており、太陽と光条模様はアニメーションや映画、デザイン商品など数多くのものに使われている。
日本のほか、チベットやロシアなどでも似た模様を使っており、韓国の統一教会の旗も中央に赤い光条模様がある。
軍国主義の象徴なのか?
さらに、第2次世界大戦で日本と戦った米国も、日本に駐留する米軍部隊は徽章に光条模様を使っている。
米国ブランドのナイキとコンバースは光条模様と旭日旗をデザインに使用し、トム・クルーズ主演の人気映画「トップガン(TOPGUN)」でもヘルメットに旭日旗が描かれた主人公の同僚が登場した。
旭日旗に反感や拒否反応を示すのは韓国だけである。
2018年10月、日本の海上自衛隊は、大韓民国海軍が済州島で行われる国際観艦式に参加しないと通達した。
一部のメディアが海上自衛隊の自衛隊旗(連隊旗)である旭日旗に対して、根拠のない批判を次々と報じ、韓国海軍は15の参加国に「自国の国旗と太極旗だけ掲げてほしい」と要請した。
これに対し当時の小野寺五典防衛相は「旭日旗のデザインは日本国内で幅広く使われている」とし、国際観艦式への不参加を決定。
その理由は、国連海洋法条約で、軍隊所属の船舶は国籍を表示する旗を掲げることが定められており、自衛艦旗の掲揚は日本の法令上の義務でもあるというものだった。
韓国外交部は「旭日旗に対する国民感情を積極的に考慮してほしい」と伝えたという。
ちなみに1998年と2008年に釜山で開かれた国際観艦式で、自衛隊の艦艇は旭日旗を掲揚したが、全く問題にならなかった。
韓国が旭日旗を忌避するのは、植民支配当時の軍国主義を象徴するという理由からだ。
旭日旗は、第2次世界大戦時にナチスが使用したハーケンクロイツと同じだと主張するわけだが、旭日旗は軍旗で、ハーケンクロイツはナチスの政党旗である。
第2次世界大戦後、欧州や国際社会はナチスを象徴するハーケンクロイツの公式使用を禁止するが、旭日旗は拒絶しない。
旭日旗は1870年から日本帝国陸軍旗として使用されたが、だからといって軍国主義の象徴と見るのは正しくない。
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