反日「文在寅」政権が、レクサスとトヨタの販売台数増をプッシュした理由
ステータスと安全性から高級ガイシャへ
韓国日産の撤退が今月末に迫るなか、韓国トヨタとレクサスが販売を伸ばしている。昨年、韓国で拡散した日本製品不買運動の影響で日本車は大きな打撃を受けたが、今年10月、レクサスは昨年同月比91%増の871台、トヨタも35・5%増の553台の販売を記録した。
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18年10月のレクサス1980台、トヨタ1345台には及ばないが、復活しつつあることに変わりはない。
反日政権の政策がレクサスとトヨタの販売を後押しするという、政権側にとっては皮肉と言うか戸惑いが際立つ結果となっている。
韓国は世界有数の高級輸入車大国である。理由はステータスと安全性だ。
韓国の免許取得制度は日本に比べ簡易的な取得システムで、交通ルールを順守する精神も希薄なのだろうか、交通事故の件数は日本の10倍にものぼる。
多くの運転手は他車の割り込みを阻むべく車間を詰めて走行し、それが事故増の原因になっているわけだが、前を走る車が高級輸入車なら車間距離を取る。
事故後の賠償などの問題から、高級輸入車との接触を回避する傾向があるのだ。
駐車場で空いているスペースの隣が、一方が高級輸入車で、他方が国産車なら国産車に寄せて駐車する。
要するに、輸入高級車は事故に遭うリスクが国産車より小さいことになる。
また、外見を重要視する韓国人は、高級輸入車は自慢のタネだ。
韓国では優位な立場の人を「甲」、弱い人を「乙」と呼び、ナッツ姫や水かけ姫、首長のセクハラなど立場の上下に起因するパワーハラスメントが後を絶たないが、所有している自動車も「甲乙」判断の対象だ。
また、国産車と輸入車とでは対応の差も大きく、ある企業が経費削減で、社用車のランクを落としたところ、いつも利用していたホテルの対応が変わった例がある。ステータス維持のため、高級輸入車が必要なのだ。
高級輸入車市場に変化をもたらす“事件”
反面、高級車は購入価格に加えて維持費も高い。
性能より見た目を重視する韓国人は、維持費を少しでも抑えるため、燃料費が安いディーゼル車を選好することになる。
ベンツやBMW、アウディなどが韓国市場でディーゼル車を展開するなか、ディーゼル乗用車をラインナップしていない日本車は苦戦が続いていた。
その高級輸入車市場に変化をもたらす“事件”が起きた。
2015年9月、米環境保護局が独フォルクワーゲン社のディーゼルエンジン排出規制の不正を暴くと、フォルクスワーゲンとアウディ(両社は同じグループ)は、一部人気モデルの販売を中断した。
アウディ・フォルクスワーゲンコリア社はその後に失速。
ブランド車種の選択肢に乏しい中、例えばジャガー・ランドローバーグループはその恩恵に与り、韓国ではじめて年間売上1兆ウォン(約950億円)を達成した。
大気汚染も深刻だ。
2017年5月に誕生した文在寅政権が、環境対策車の推進を公約に掲げると自動車メーカー各社は電気自動車の開発と販売促進に取り組んだ。
しかし、充電インフラを心配する消費者が、レクサスとトヨタのハイブリッド車を買い始めたのだ。
韓国でミセモンジ(微細粉塵)と呼ばれるPM10やPM2・5が深刻化しはじめた頃、韓国環境部は、ミセモンジが黄砂の時期に多く発生したことから、80%が中国から飛来しているとして対策を取ることはなかった。
米国の研究者が韓国のミセモンジは70%が国内で発生していると発表したものの、韓国国民は中国に対する抗議を政府に要求した。
中国がPM対策を進める一方、放置を続けた韓国のミセモンジはさらに深刻となり、韓国政府は、建設現場などを対象に産廃の排出規制を強化、合わせてディーゼル車の規制も強めた。
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