身の毛もよだつ写真に絶句……浪費と浮気の果てに夫に子供を連れ去られた妻の後悔
長女までも夫に連れ去られてしまった
ところが、この頃、新たな問題が発生してしまう。唯一、同居していた長女が学校で授業中にトイレにこもるなどの問題行動を繰り返すようになってしまったのだ。
「かわいそうなことに、長女は、大好きだった弟と妹と会えなくなってしまい、精神的に不安定になってしまったのです。そして、別居から3ヶ月ほど経った7月、彼女はかつて同居していた自宅に1人戻ったところを夫に見つかり、実家に連れ去られてしまいました」
こうして最後の長女までをも失い、亜希子は独りになってしまったのである。以来、彼女は3年以上、3人の子供たちに会わせてもらっていない。
「長女には私たち夫婦の問題に巻き込んでしまい、申し訳なかったと思っています。兄弟が再び一緒になれたこと自体は良かったのかもしれません。ただ、その後、調べると、子供たち3人は義母の実家で義母が育て、私がこれまで住んでいた家で、夫は浮気相手とその連れ子たちと同棲していることがわかった。つまり、夫は連れ去りをしておきながら、子供たちと暮らしていなかったのです」
パパに話すように頼まれたことがある
亜希子は家裁にこのような夫の生活実態も訴えたが、結局、翌18年3月、3人とも監護者を夫とし、引き渡しを却下する審判が下った。亜希子は即時抗告して高裁で争ったが、覆ることはなかった。
「どうして母親なのに監護者になれないの、とよく聞かれるのですが、結局、離婚後は単独親権制度しか認められていない日本では、別居してどちらかを監護者として選ばなければならなくなった際、父母に関係なく、連れ去った者が優位になる仕組みが出来上がっているのです」
この間に、家裁の調査員調査が入り、子供の聴取も行われたが、
「子供たちは『パパがいい』『ママが嫌いになってきた』などと答えています。ただ、これは彼らの本心ではないのです。それは誰よりも、彼らと暮らしてきた私自身がよくわかっています。彼らは同居している夫や義母の顔色をどうしても伺い、そう言わされているに違いありません」
調査員がまとめた調査報告書には、このような記述がある。
〈長男は「お話しできたら、パパがトイザらスで玩具を買ってくれる。」と答えた。「パパに話すよう頼まれたことがあるのかな。」と聞くと、ある、と言うので、長男に「パパに話すよう頼まれたことを話して。」と伝えると、長男は「●●(地名)のうちにいるときにママからちょっとしたことで髪を引っ張られたり、パンチされたりした。」、「宿題するのが遅いと言って、げんこつされた。」と話した〉
浮気は監護者の適性には関係ないと指摘した裁判所
亜希子は語気を強める。
「夫がおもちゃで子供を釣って、母親を悪く言うよう仕向けているのは明白です。明らかな片親疎外(※同居親が子供に不適切な言動などを取ることで、別居親との関係が破壊されること)が起きているにもかかわらず、裁判所はそこに一切注目せず、監護者を変更すると、子供たちの心身の安定が損なわれると言うのです」
争点の一つである夫の浮気については、家裁では認められなかったが、高裁では認められた。だが、判決文にはこうある。
〈(不倫が)不適切な行為であることは当然であるが、このことにより直ちに相手方が未成年者らの監護者として不相応となるわけではない〉
この指摘についても、
「到底納得できません。いま彼は、子供たちと事実上、別居しており、不倫女性と同居生活を続けているんです。そんな父親が本当に正当な監護者と言えるのでしょうか。子供たちは母だけでなく、父も共に失っているような状況にありながらも、裁判所は問題ないと言っているのです」
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