「NiziU」の将来は? BoAは? 東方神起は? 韓国アイドルの成功と挫折を振り返る
2~3年の専属契約が勝負
日本人メンバーが所属する韓流アイドルグループ「NiziU」がデビュー初年の今年、紅白出場を決めた。過去に活躍したK-POPグループの栄枯盛衰を探ってみた。
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韓国は1990年代、日本のJ-POPを模倣して大衆文化市場を作り上げ、大手芸能事務所が数多のアイドルグループを量産して行った。
高い競争率のオーディションで選ばれた10代の若い世代が、厳しい合宿訓練を経てデビュー、華麗なダンスや歌、さらには容貌も優れたアイドルは大きな成功を収めるわけだが、その寿命は長くても10年程度である。
アイドル達は当初、2~3年の専属契約を所属事務所と結ぶ。
しかし更新されずに活動を中断するか、事務所を去る例も多い。
10代後半から20代前半でデビューすると、20代後半か30代前半までには独立しなければならないことになる。
ソロデビューするか、俳優やミュージカルなどに活路を見出し、一部はアイドル時代より大きな成功を収める一方で、アイドル出身の無名芸能人として芸能界を転々とし、麻薬や犯罪スキャンダルの当事者となる例も少なくない。
幼い頃から学業や就職を断念してひたすらダンスと歌に明け暮れて成長するアイドルたち。
彼ら・彼女らのその後の人生を追ってみた。
BoAは株富豪に
今年でデビュー20周年を迎えた韓流スターの「BoA」(本名クォン・ボア、34)は、最も成功したアイドルの1人だ。
2001年に14歳の若さで日本デビューし、初のデビューシングル「ID;Peace B」をリリース後、韓国人歌手として初めてオリコンチャート1位を獲得し、数百万枚のアルバムを売り上げた韓流スターの元祖である。
韓国と日本に続いて米国でもデビュー、韓国を代表する芸能事務所のSMエンターテインメントを成功に導いた。
BoAは2010年代前半までソロアイドル歌手として活躍した後、活動エリアを広げていく。
2015年にリリースしたデビュー15周年記念アルバム「Kiss My Lips」では全曲の作詞・作曲を手がけ、プロデューサーとしても頭角を現し、またRed Velvetやf(X)など所属事務所の後輩アイドルグループの育成にも力を貸した。
日本で成功した功労から、2014年、28歳の若さで時価総額1兆ウォン(約960億円)の上場会社SMエンターテインメントの役員となり、実業家としても活躍している。
大手芸能事務所の幹部となった歌手BoAは、後輩から「クォン理事」と呼ばれているという。
保有するSMエンターテインメントの時価総額は数百億ウォンに達し、不動産なども含めた総資産は1000億ウォンに達するとみられている。
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