度重なる文在寅のコロナワクチン「確保ミス」、それでもこだわり続ける「反日」
購入契約をためらった結果
「K-防疫」を自画自賛する文在寅大統領にとって、12月10日朝に接したニュースは苦虫を噛み潰す思いだったろう。英アストラゼネカが開発を進める新型コロナウイルスワクチンのアメリカ食品医薬品局(FDA)による許可が、来年半ばになることが分かったのだ。アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発中の新型コロナワクチンは、韓国が手配できていた唯一のものだ。
このニュースは、ワクチン開発研究所のディレクターが米テレビ局NBCのインタビューで語ったもので、ワクチンの3次臨床試験の進行が予定より遅れたためという。
そもそも韓国政府は12月8日、アストラゼネカ、ファイザー、ヤンセン、モデルナなど海外製薬会社から開発中のコロナワクチン4400万人分を購入し、来年2~3月から国内で普及させる見込みを発表していた。
しかし、その中で、話がまとまったのはアストラゼネカのみだった。
同社から1000万人分のワクチンを購入する計画が固まったのを受け、翌9日、文在寅大統領は「長いトンネルの出口が見えてきた」と述べていた。
ワクチンの確保がままならず大統領は批判にさらされてきた中で、やっと「国民から褒められた」のも束の間、世論は再び憤った。
当局のスポークスマンは、「韓国の検査システムは、米国とは特徴が異なる」とコメントしたが、何かを言っているようで何も言っていないに等しい。
第3次臨床で効果が立証され、予防率が90~95%に達するというファイザーやモデルナを確保できず、第3次臨床試験の結果すら分からないアストラゼネカのワクチンを購入する計画を立て、果たして、認可遅れは不可避。
米国と英国、日本など他の国々がワクチンを確保し、なかでも英国は普及を進めるが、文在寅政府は「ワクチンの安全性と副作用が疑われる」として購入契約を躊躇した結果がこれなのだ。
中国産ワクチン購入も
一方、韓国防疫当局は10日午後、アストラゼネカのワクチンを予定通り来年2~3月頃に導入すると発表した。
ワクチンはまず国内製薬会社の工場で生産し、韓国政府が許可を出して、直ちに普及させるというものだが、これは当然ながら激しく非難されている。
《FDAが最終許可していないワクチンを韓国食品医薬品安全庁が許可できるのか》
《3次臨床まで終えたファイザーとモデルナのワクチンは安全性が疑われると躊躇したのに、韓国で生産するアストラゼネカのワクチンは100%安全だといえるのか》
政府の不可解な取り組みに、こんな話がまことしやかに広まっている。
文在寅政府がワクチン不足の名目で中国とロシアのワクチンを買い入れるため、ファイザーやモデルナのワクチン確保を躊躇し、臨床試験の遅れが予想されたアストラゼネカのワクチンを購入する計画を立てたのではないかというものだ。
保健福祉部の朴凌厚(パク・ヌンフ)長官は8日、記者団から受けた質問に「政府は中国とロシアのワクチンを購入する契約は締結していない」と答えたが、「米国と英国産ワクチンのほか、3次臨床試験に突入したすべてのワクチンの可能性を検討している」と、状況によっては中国とロシアのワクチンを購入する可能性をほのめかしたのだった。
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