「池江璃花子」入会の「全祉協」が崩壊寸前 消費者庁が注意喚起、施設入居者は追い出され

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「あんたらは10年も経てば死ぬ」と暴言

 介護や育児・福祉に関する問題の改善・解決を目指す、"共済"団体「全国育児介護福祉協議会」(全祉協)が崩壊寸前の危機に陥っている。競泳の池江璃花子が家族ぐるみで活動している団体の内部で一体何が起こっているのか――。

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 全祉協は公的介護保険で賄えない介護サービスの提供を看板に掲げる"共済"団体。月々の会費を支払う会員が要介護者となれば、全祉協が介護費用を負担するほか、「死亡弔慰金」なども支払われる。

 しかし、2017年、それまで「無認可」で運営を続けていた全祉協は、金融庁から3年前に保険業法の適用対象とされ、新規の会員募集を禁じられた。これにより、財政状況が悪化したため、当時の早川一美理事長は、再興を期し「品川グランズ」なる不動産会社を経営する高田叡和という人物に譲渡することになったのだ。

 ところが、全祉協から品川グランズへ1億円にも上る不透明な支出が行われたことで、ただでさえ傾いていた経営が悪化。介護サービス事業者への支払い、会員への「死亡弔慰金」などの支払いもストップした。結果、消費者庁が注意喚起するに至り、会員の脱退が相次いだのだ。

 全祉協は会員向けの保養施設を全国に所有し、介護施設を兼ね備えたところもあるが、その入居者は悲惨な目に遭っている。施設に入所していた80代女性によると、

「私が入居したのは、18年の8月。最初に1500万円のに入居金を納めると、月々の管理費は11万円ですみ、ほかの施設と比べるとかなり割安でした」

 が、高田氏が理事長に就いた昨年10月、管理費が24万円に値上げすると宣言された。

「入居金は5年償却の契約でしたので、私の場合、1年半で施設を出ましたから、本来1500万円のうち900万円が戻されるはずでした。しかし、返還を求めると、高田さんから“あんたらは10年も経てば死ぬんだから”と暴言を吐かれ、未だに戻してもらっていません。いまは別の施設で生活をしていますが、夫に先立たれ、年金もないので、900万円が返還されるかどうかは私にとって死活問題です」

 有料版では、火の車状態に陥った全祉協の内幕について報じる。

週刊新潮 2020年12月10日号掲載

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