「日本との交流がなくても問題ない」と言った文在寅の失敗 韓国で「反日」が正義である理由

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日本に行きたくて我慢の限界を超えている

 Aさんが語気を強めたのは、対日貿易赤字が残っていたからではない。

 日本との経済関係をゼロにはできない。それなのに、それができるという韓国政府の扇動に乗せられて、わけもわからずNO JAPANキャンペーンに群がった韓国社会に対してだった。

 少なからぬ韓国人に、NO JAPANキャンペーンが始まった理由を質すと、「安倍(晋三首相)が歴史認識に関して問題発言を繰り返したから」という答えが返ってきたことは1度や2度ではない。

 韓国で、反日は正義である。

 それは反日が「日本の間違った歴史認識を正すこと」と同じ意味を持つからだ。

 当然、「日韓の葛藤の原因が歴史認識問題にある」と、単純に考えてしまう韓国人は多くなる。

 NO JAPANキャンペーンは、韓国社会のそうした思考の中で広がった。

 そして、すぐに終息したかつての日本製品不買運動とは異なり、1年半経った今でも続けられている。

 これまでと今回との違いは、「安倍政権の歴史認識を正す」という意味合いを持っている点にある。

 安倍政権の突然の退陣で風向きが変わるか否かは注目されるが、それはともかく、対日貿易赤字を抑えたのは、文政権が切望してきた新たな技術革新ではなく、単に日本との断絶だったことは、政権にとって皮肉なことだろう。

 Aさんは最後にこう付け加えた。

「文政権は朝鮮半島の平和とよく言いますが、韓国が日本を排除することは、東アジアを不安定にすることだと思うのです」

 文大統領の言うように、韓国が日本離れできる日は、果たしていつ来るのだろうか。

 ちなみに、RCEPへの参加によって韓国の対日貿易赤字は拡大が予想されている。

 韓国人の70%は、「これからもこの不買運動に参加する」と話すのだが、それは建前でしかないだろう。

 実際は日本に行きたくて我慢の限界を超えているように感じられて仕方ない。

藤原修一
韓国在住ライター

週刊新潮WEB取材班

2020年12月12日掲載

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