金曜19時対決、「ザワつく」「爆報」の明暗 なんだかんだ言って日本人は――

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「爆報」来春打ち切りへ

「これに一番慌てたのがTBSでしょう。唯一とも言えるドル箱が金曜夜でしたからね。19時台の爆笑問題の『爆報!THEフライデー』に始まり、20時台の『ぴったんこカン・カン』、21時台の『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』へと続く3連続のバラエティ番組は、いずれも2桁視聴率という優良編成だったからです。中でも、金曜19時は『爆報』の独壇場でした」

「爆報」は、爆笑問題の2人をMCに、スペシャルゲストMCとして田原俊彦(59)を加え、11年10月にスタートした。番組のウリは、いわゆる“あの人は今”で、初回放送では、田原の“ビッグ発言”にスポットを当て、視聴率12・2%を記録した。

「それまでバラエティには出なかった田原をレギュラーに据え、彼を初回に取り上げたことは話題となりました。一世を風靡したスターが落ちぶれ、再起を誓う姿は、感動も呼び、“あの人は今”路線を固定することで数字も15%を取るようにもなりました。しかし、そうそういつまでもいいネタが転がっているわけではない。日本テレビが始めた『あの人は今!?』だって、特番で年3回、第30回で終わりましたからね。最近は都市伝説やホラー企画に寄せています。それでも今年9月の時点でギリギリ2桁という状態で、同時間帯ではまだトップでした」

 そこへ「ザワつく」がゴールデンに昇格したのだ。

「初回対決こそ、『爆報』は10・8%と食らいついていましたが、コロナ禍も加わって、ロケもままならなくなった。一方、『ザワつく』はスタジオで喋っているだけですからね。徐々に差を広げられ、今年11月20日は『ザワつく』13・8%に対し『爆報』7・1%、27日は13・4%対6・9%とWスココアに近くなってしまいました。これでは、打ち切りを決定しても不思議ではありません」

 爆笑問題は、TBSには「サンデージャポン」という人気番組のレギュラーも持つ貢献者だが……。

「いくら貢献度が高いとはいえ、ゴールデン枠で6%台は放置できません。そもそも『爆報』はレギュラー陣のギャラが高いんです。田原だって、民放レギュラーは他にないとはいえ、かつてはマッチ(近藤真彦)と人気を二分した人ですから、1時間100万円なんて安売りはしないでしょう。他にもテリー伊藤やアンガールス、友近、オリエンタルラジオの藤森慎吾もいる。なにより爆笑の2人は、一説によると1時間500万円。全員合わせれば、ギャラだけで1000万円ほどにもなるのです」

 トシちゃんは再び、“あの人は今”状態になるのだろうか。

「芸能界は厳しいですからね。一茂や良純だって、ちょっと前までは“あの人は今”になりかけていました。しかし、2人とも『羽鳥慎一モーニングショー』(テレ朝)でコメンテーターを続けるうちに、その屈託のない発言が面白がられるようになり、“コンビ”として使われ、看板番組まで持つまでになった。『爆報』もそんな2人の番組に返り討ちに遭うのは皮肉な話ですね」

 それにしても、一茂&良純の“ボンボン”コンビのどこがウケているのだろうか。それについて、羽鳥アナが一茂との紙上対談で分析している。

羽鳥:普通、無学なことを出すのは嫌。知ったふりをするのに、一茂さんは知らないことを恐れないし、恥ずかしがらない。「それって何?」ときくときは、見ている人もきっと同じでよく調べたなあと思ってくれている。そのまま一茂さんに接していれば、見ている人のことがわかる。裏表がまったくなく、飾ったことも言わないから、思ったことをそのまま言っても(視聴者に)不快感を与えないんですよ。(中略)冗談でもテレビで「俺は裏口入学かも」なんて言えないですよ。「カンニングしていた」と言ったり……。出演後、ネットでは「一茂」が急上昇キーワードになっているから、(問題発言は)世間に知られている。それでも誰も傷つけないし、自分の評判の範囲でやってる。そういう物言いは、もう境地ですね。(「サンケイスポーツ」16年12月16日付)

 ボンボンでなければ、たどり着けない境地かも。

週刊新潮WEB取材班

2020年12月11日掲載

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