“NO JAPAN”を追求すれば、「韓国の食生活」が崩壊する理由

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ヤンマーに依存する韓国農業

 農産物の日本依存が高い韓国で、ヤンマーが韓国与党・共に民主党の標的になった。韓国市場でシェアを伸ばしている子会社「ヤンマー農機コリア」に「機械の製造年度を偽装した」疑いを国会で提起されたのだった。

 韓国人の70%が日本製品不買運動に参加すると報じられるなか、農業機械業界は“国産化”を模索する。

 しかし、韓国の“国産”農業機械は日本製部品に多くを依存するなど、日本なしでは産業が成り立たないのが実状だ。

 ヤンマーは2005年、子会社を設立して韓国に進出した。

 ヤンマーは韓国の農機具メーカーに部品を供給し、農家は信頼性が高いヤンマー製エンジンを搭載する機械を選んできた。

 そのヤンマーの完成品は韓国農家にとって垂涎の的だろう。

 ヤンマー農機コリアは80を超える代理店網を構築。16年に1630億ウォン(約157億円)を売り上げるなどシェアを伸ばしている。

 韓国で30年に亘って農業機械技術を磨いてきた金某氏は、2010年9月、全羅南道羅州市でヤンマー代理店を開業し、業界紙の取材に「ヤンマーのブランド価値は天下無敵」と話している。

 その羅州市に隣接する全羅南道海南郡から選出され、農林畜産食品海洋水産委員会(韓国国会で名称が2番目に長い)に所属する尹才鉀(ユン・ジェガプ)議員が、今年10月、ヤンマー農機コリアが「機械の製造年度を偽装」したとし、「農業機械化促進法改正案」を発議した。

 今年8月、農村振興庁と農林畜産食品部、農業技術実用化財団で構成された政府合同調査団の現場調査で、ヤンマー農機コリアが販売した田植え機2モデルで、型式表示板の製造年度が偽装されていた疑惑が浮上したのだ。

 政府合同調査団は、全数調査を実施する方針で、ヤンマー農機コリアは5年間に販売した5750台の情報を提出した。

不買運動で衝撃に見舞われた韓国農業

 韓国の現行法上、農業用トラクターや動力運搬車、掘削機などは型式表示板の装着が義務付けられるが、田植え機は装着義務がなく表示板がついていなくても違法ではない。

 しかし、与党議員や政府機関はヤンマーを告発し、今後3年間、農業機械供給者から除外しようと画策している。

 農業機械供給者から除外されると銀行から融資を受けるのが難しくなり、ヤンマー農機具を求める農家やヤンマー農機コリア、個人代理店が影響を受ける懸念がある。

 農作業を行わない与党議員や官僚がヤンマーを目の仇にする一方、農産現場に寄り添う自治体はヤンマーに依存する。

 李明博政権の首都移転政策で、多くの政府機関が移転した世宗市の農業技術センターは、購入が困難な農機具を貸し出す事業をヤンマーと共同で行う計画を進めている。

 昨年8月、韓国で日本製品不買運動が拡大すると韓国農産業界に衝撃が走った。

 90%以上を日本品種が占めるミカンをはじめ、韓国農業は日本依存が極めて高い。

 売れ筋のみを扱うデパートや大型スーパーの店頭に並ぶリンゴはすべて“富士”である。

 韓国産タマネギは、品種別生産量の1位から3位を日本品種が占め、韓国の伝統的な祭礼で欠かせない梨や桃も日本品種が最も多い。

 ブドウは米国品種のキャンベルが1位だが、2位の巨峰と3位のシャインマスカットは日本品種で、「95%が国産だ」と韓国が豪語するイチゴも日本品種を交配した。

 日本製部品が少しでも含まれる製品は買わないと主張する不買運動家がDNAを調べれば、多くの野菜や果実が不買対象になり、農業機械も購入できないことになる。

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