「茂木外相×王毅外相」会談の問題点 「日本漁船に責任」発言に反論せず(KAZUYA)
香港民主活動家の象徴的存在である周庭さんらが、昨年行われた「逃亡犯条例」に反対する違法デモ活動を扇動したとして有罪判決が下り、収監されました。見せしめの意味合いが強いでしょう。中国共産党の香港支配は強まるばかりで、完全に一国二制度は形骸化しています。
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香港立法会における議員資格の剥奪要件を拡大し、香港基本法を支持しないと議員でいることすらできなくなってしまいました。いわゆるファイブアイズの5カ国からは非難の共同声明が出ています。
そんな折、のこのこ日本にやってきたのが中国の王毅外相です。
外相会談で茂木敏充外務大臣は、香港情勢への懸念を王毅外相に伝えています。さらにウイグルの人権問題についても触れている点は評価できるでしょう。一方で新型コロナウイルス対策で制限していた両国間の移動については、ビジネスでの往来を11月中に再開する旨も確認されました。
今やコロナは第3波と言われ、GoToキャンペーンの見直しも叫ばれる中、中国との間での往来はいいのかよという話です。野党はこういった点こそ追及してもらいたい……けど無理だろうな。
会談のあとには共同記者発表も行われています。茂木外相と王毅外相が横並びでそれぞれ発言をしましたが、王毅氏は尖閣諸島の領有権について言及し、東シナ海の緊張は日本漁船に責任があるなどとのたまうのです。
ちなみに今年はすでに300日以上中国船が尖閣諸島周辺に来ているといいます。あと1カ月残して300日以上ですから、ほぼ毎日来ている計算です。
もうこの時点で帰れよという話なのですが、罪深いのは横にいた茂木外相の態度です。何故その場でしっかりと反論をしなかったのか。会談では尖閣周辺での事象についても言及しているようですが、基本的に中国は日本のことをナメているので聞いちゃいません。だからこそ横並びの会見でもふざけた発言をしたのでしょう。デタラメな主張にはその場で反論することが大事です。それを怠ったという点で茂木氏に落ち度があったと言えるでしょう。安倍総理の辞任に伴い、ポスト安倍の一人とも言われていましたが、これではいけませんね。波風を立てない日本人の美徳は通用しません。外務大臣なのですから、ビシッと言ってもらわないと困ります。
言葉も大事ですが、言葉ではないメッセージも大事です。第2次安倍政権以降、防衛費は年々増額されています。これも元を辿ると、中国が経済成長を背景に圧倒的なスピードで軍事膨張を続けているので、それに対応する形で少しずつ増えているに過ぎません。防衛予算を福祉に回せという主張も一部にありますが、防衛費こそ中国に対抗するためには全く足りていない状況です。厳しい状況ではありますが、まずはGDP比2%程度を目安に防衛予算を考えるべきだと思います。
他国との連携も大事ですが、まずは日本がしっかり自国の領土を守る気概を見せる必要があります。それがなければ香港のようにあっという間に飲み込まれてしまうでしょう。