今年の箱根駅伝は最高視聴率の予感 優勝を争うのは青学など6校 ダークホースは明治大

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ダークホース明治

 スポーツジャーナリストの生島淳氏は言う。

「12月10日にチームエントリー、29日が区間エントリーの発表ですから、まだ詳しいことは言えませんが、先日の全日本大学駅伝でいずれもレベルの高かった上位6チームによる優勝争いになるでしょう」

 やはり直近に開催された全日本大学駅伝の成績が、箱根を占う要素になるらしい。11月1日の全日本上位6校は、以下の通りだ。

1位 5時間11分08秒 駒澤大学(6年ぶり13回目優勝)
2位 5時間11分31秒 東海大学
3位 5時間12分24秒 明治大学
4位 5時間12分42秒 青山学院大学
5位 5時間13分04秒 早稲田大学
6位 5時間13分15秒 東洋大学

 愛知県名古屋市の熱田神宮から、三重県伊勢市の伊勢神宮までの全長106・8キロ、8区間で争われたが、1位から6位までの差は2分あまりしかない。

 1校ずつ分析してもらおう。まずは駒澤大。

「6年ぶりに全日本を制した駒澤大は、アンカーの田澤廉(2年、青森山田)が3位でたすきを受け、青学、東海大を抜いて優勝に導きました。彼はまだ2年生ですが、相当な強さを秘めた選手なので、箱根での“大駆け”に期待したいです。トップになって流れを作れるかに注目しています」(同・生島氏)

 そして東海大は、

「いい選手が多いですね。全日本でアンカーを務めた名取燎太(4年、佐久長聖)は、駒沢の田澤に破れはしましたが最後までデッドヒートを繰り広げました。高校時代には全国高校駅伝の各校のエースが集う1区で区間賞も取っている逸材です。この他“山登り”の西田壮志(4年、九州学院)、さらに全日本で区間新をマークしたルーキー石原翔太郎(1年、倉敷)も面白い存在です」(同・生島氏)

 第1回大会から箱根に挑んできた明治大は、

「全日本では青学を下し、評判も高い、ダークホース的存在と言っていいでしょう。前回総合6位のメンバー10人中、6人が残っています。もし優勝ということになれば、大会史上最長ブランクとなる1949年以来の72年ぶりですから、盛り上がるでしょうね。OBの期待も高まっているのでは」(同・生島氏)

 前回の覇者・青学は、

「やはり総合力の高さでは、東海大と双璧と言っていい。トラック5000メートルで13分台や、1万メートルで28分台が10人以上もいる層の厚さは、やはり強い。特に青学の場合、復路の7~9区に強い選手がいます。今回は最後までもつれ合う展開とみているので、後半に強い選手がいるのは心強い」(同・生島氏)

 11年以来、優勝から遠ざかっている早稲田は、

「総合力もありますが、中谷雄飛(3年、佐久長聖)と太田直希(3年、浜松日体)の二枚看板、そして2年の井川龍人(九州学院)の活躍にかかっていると思います。特に高校時代に活躍し、鳴り物入りで入った中谷と井川に化けて欲しいですね」(同・生島氏)

 6位の東洋大は、

「前回、山登りの5区で区間新を叩き出した宮下隼人(3年、富士河口湖)、そして1年生のときに1区の区間賞を取ったエース西山和弥(4年、東農大第二)らが、どんな活躍をするかに注目しています。いずれにせよ、優勝は復路の8区、9区までもつれる可能性は高いでしょう。テレビで観戦するには最高の展開になるかもしれません」(同・生島氏)

 ちなみに、全日本大学駅伝も沿道での観戦、応援を控えるようお願いしていたが、中継所周辺などには多くのファンが集まり、ゴールの伊勢神宮前には数千人が集まったという。

 果たして箱根はどうなるのか。徳光和夫アナは今年も沿道に立って、個人実況をするのか。そして、史上最高視聴率を記録するのか。

週刊新潮WEB取材班

2020年12月8日掲載

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