渡部建はなぜ袋叩きにあったのか、ポイントは「人力舎」と「ベテラン男性レポーター」
男性レポーターの不在
では、謝罪会見の効果を最大限に高めるためには、どのような対応が必要なのだろうか。
「当然ながら、謝罪会見は事務所が仕切ります。どんな番組の、どういうレポーターが来るか、事前に把握する必要があります。
そして事前に、『不倫は犯罪ではありません。そのことを踏まえて、ひとつよろしく』といったような、ちょっとした脅しも入れるもののです。しかし、こういうことを前もってやっていたのかどうか……」
リポーターが女性だらけになってしまったことも、やはり人力舎が現場をコントロールできなかったことを示しているという。
「不倫問題ですから、女性レポーターは正論でバンバン追求します。渡部さんは言い逃れが苦しくなります。実際、会見はそのようにして進みました。
しかし、亡くなった梨元勝さん(1944〜2010)、福岡翼さん(1940〜2019)、須藤甚一郎さん(1939〜2020)といった方々は、追求の舌鋒も鋭かったですが、どこかで事務所に“忖度”してくれて、笑いで会見の雰囲気を和ませてくれたりしたものです。
いまでも高い知名度を持つ男性レポーターが活躍しています。せめて1人でもいいので、事務所が頼んで会見に出席してもらったら、また違った雰囲気になったと思います」
危機管理の成功例
危機管理に成功した芸能人もいる。原田龍二(50)は、不倫を報じた週刊文春の発売日翌日に謝罪会見を開き、ひたすら謝り続けた。
袴田吉彦(47)は17年1月に週刊新潮が“アパ不倫”を報道。当初は沈黙を守っていたが、9月に離婚を発表すると、「ダウンタウンDX」(読売テレビ制作・日本テレビ系列・木・22:00)に出演した。
浜田雅功(57)が不倫の現場だったアパホテルの「ポイントを貯めていたのは本当か」と質問し、袴田が苦笑しながら認めた場面は大きな話題となった。
「謝罪するならなるべく迅速に。引き延ばしたなら、何か世論を納得させる演出が必要になります。
渡部さんと並ぶくらい酷かったのに、東出昌大さん(32)の謝罪会見があります。2人に共通するのは会見が開かれるのが遅く、世論が納得する点が1つもなかったことです」
とはいえ、民放キー局の関係者は「原点に戻れば、渡部さんの行為は警視庁や検察が捜査した犯罪ではありません。ひき逃げ容疑で逮捕された伊藤健太郎さん(23)とはレベルが違います」と言う。
=巻末註釈=
(註1)
「渡部建の謝罪会見は矛盾だらけ“納得感”ゼロ…復帰質問にも答えず芸能リポーターから厳しい声」(日刊ゲンダイDIGITAL:12月4日)
(註2)
全角英数を半角に改めるなど、デイリー新潮の表記法に合わせた
(註3)
「渡部会見、なぜ囲み取材? 『距離が近いほうが…』事務所が語った“密集取材”の意図」(ENCOUNT:12月4日)
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